ほぼ2年に1回のペースで断食をしています。自宅で週末断食という人もいるそうですが、意志の弱い私には絶対に無理。断食施設を利用しています。

来月は久々に伊豆高原の「やすらぎの里」へ行くことにしました。断食ではなく1日500カロリーを2食という養生食コースです。空腹では屋上にできたというサウナと水風呂でととのえないだろうし、荻窪の友永ヨーガ学院の通い断食を2回やって、「やすらぎの里」の断食はぬるいと思ったからです。隔離された施設で断食仲間とゆったり過ごすのと、食べ物にあふれた日常を送りながら食べない生活は大変でした。家族の食事を作りながら自分だけ断食という猛者もいましたが、私は夫に「自宅での食事禁止令」を出して3食すべて外食してもらいました。

断食、節食をするのは体重を増やしたくないのに加えて、太ると運気が下がるような気がするからです。

江戸時代の人相の大家、水野南北は人相観になる前に別の人相観に「あと1年しか生きられない剣難の相」と鑑定されました。どうせ死ぬのなら出家しようと寺に行きますが、住職に「1年間、麦と大豆の食事だけで過ごしたら入門してもいい」と条件を出されました。麦と大豆だけを食べ続けた結果、剣難の相は消え、出家の必要もなくなったので人相観になったのです。

ふっくらとした肉付きのいいのが吉相だと思い込んでいたのでこの話は意外でした。そして、現代社会では貧しい人は太りやすく、食生活に気を付けて定期的に運動している人はお金持ちが多いという傾向があります。

「やすらぎの里」は食事もろくに出ないのに、温泉旅館並みの料金なのは、自由参加の各種プログラムがあることに加えて、回復食の素材にこだわっているから。断食は回復のプロセスが最もむずかしいのです。強制収容所から解放された囚人にアメリカ軍がよかれと思って高カロリー食を与えたら消化できずに死んでしまったケースもあります。「やすらぎの里」の断食コースでは、厳選された食材がちょうどいいカロリーで段階的に提供されます。

私は最初に高原館での3泊4日、二度目は本館(新たに本館ができて今は養生館と呼ばれています)で1週間の断食を体験しましたが、お金持ちが多いのは高原館だと思います。高原館には友人と一緒に滞在したのですが、車で来た彼女は「駐車場、品川ナンバーの外車ばかりで自分の車を停めるのが恥ずかしかった」と言いました。ヨガや体操のレッスンのためにラフな服装をしているので見た目ではお金持ちとはわかりませんが、感じのいい大らかな人ばかりだったのを覚えています。金持ち喧嘩せずと言いますが、クレーマーを寄せ付けない透明のバリアがあるかのようでした。

今回「やすらぎの里」に滞在するのは、自分の運気チェックも兼ねています。あそこで浮いてしまうようなら、運が下がっている証拠。静かににこにこして溶け込めたら、私の運はまだ大丈夫。精神的、経済的にある程度のゆとりがないとあそこに行こうという気になれません。願わくばこれからも定期的に通えますように。

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