先週は伊豆のやすらぎの里で一週間過ごしました。

https://bob0524.hatenablog.com/entry/2020/11/16/111053

滞在を終えて伊豆高原駅まで送ってもらった時、「とうとう娑婆に出ますね」と館長。食事はすべて管理され、間食やアルコールに手を出さない健康的な生活から、飽食の世の中へ。断食コースの人は「胃もたれするから、大きな揚げ物はしばらく控えるように」とアドバイスされていました。

帰り道、新宿駅の雑踏を歩いていると「娑婆に戻った」という気がしてきました。

気をつけていないと、いつ人からの悪意を受けるかもしれないという緊張感。やすらぎの里では、時間がゆっくりと流れ、誰もがおだやかに譲り合いながら過ごしていました。

昔、北海道格安ツアーに参加したことがあります。みんながそうではありませんでしたが、「絶対に損をしたくない」「人より得したい」というタイプの参加者がいて、ツアー全体が殺伐とした雰囲気でした。夕食バイキングでは他の人のことも考えずに食べきれないほどの量を取り、別料金のドリンクは注文せず水で流し込んでいる人もいました。そして添乗員への要求の多いこと。こんな安い値段で来ているのに、求めすぎじゃないかとあきれました。こういうツアーばかり参加していたら自分も安っぽい人間になるような気がして、個人で旅するようになりました。

やすらぎの里の費用は6泊7日で約10万円。部屋に机が欲しかったので狭い洋室を選んだのでこの値段ですが、広めの部屋だとさらに高くなります。そして、本館や高原館はきれいですが、養生館はかなり年季の入った建物です。食事は丁寧に作られていますが、野菜中心で高級な食材が出るわけではありません。ちなみに断食コースも養生食コースも料金は同じで、やすらぎの里で過ごす時間にお金を払っているわけです。

ヘビーなリピーターが多いので、不明なことがあればスタッフの手を煩わさなくても宿泊者同士のやりとりで解決します。一年に何回も来ているのは、実業家や大学の先生などいかにもキャリアウーマンというタイプが多かったのですが、ダイエットの必要は特になさそうな体形です。ひたすらリラックスするために来ているのでしょう。

やすらぎの里では、クレームを口にする人を見たことがありません。

アメリカのコラムニスト、アビゲイル・ヴァン・ビュレンによると、ある人間の人格を測る最良の指標は、(a)自分にとってなんら役に立たない人にどういった態度を取るか、(b)自分に逆らうことのできない人にどういった態度を取るかの二つだそうです。新参者の質問に親切に答えたり、宿のスタッフに感じよく接するのは、人格だけでなく運気のバロメーターです。「金持ち喧嘩せず」ではありませんが、運のいい人は、やたらとクレームを言い立てたりしません。

体重だけでなく運気の管理のためにも、やすらぎの里のような場所で定期的に過ごしたいものです。

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