先月、杏子さんの企画で「自分の人生のキャッチフレーズを付ける」という会が開かれました。

占いには「人生の流れに納得し、じたばたしなくてすむ」という効用があります。東洋占術なら大運の流れ。ただし、大運は10年単位なので若い人だと2つか3つの大運しか生きておらず、あまりピンとこないかもしれません。

十二運は、胎・養・長生・沐浴・冠帯・建禄・帝旺・衰・病・死・墓・絶という人の一生にたとえてエネルギーの変遷を示します(算命学だと天〇星という名前になります)。

胎児として生を受け、この世に生まれて養われ、長生きを望まれ沐浴し、成人して冠をかぶり禄を得て家を建て、最盛期は帝旺。その後は徐々に衰えて病を得、死を迎え墓に入って最後は霊魂に。

おもしろいのは人によって逆運となるところ。映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のように年を重ねるにつれて若返っていくのです。

たとえば私は6歳立運で15歳までの10年間の十二運が墓です。物心ついたらいきなり墓の中! 思えば義務教育の期間、墓に埋められていたようなものでした。そこからゾンビのようによみがえり、16歳から25歳が死。骨壺の灰が死体となりました。26歳からが病、36歳からが衰と、徐々に社会で活動するようになり、46歳から帝旺。しかも通変は偏財で46歳からの10年間は世俗的な意味での運気のピークでした。

帝旺が子供の頃、あるいは老年期に巡ってきても使いこなせません。四柱推命の講座では「運とは不平等なもので、寿命が何百年もあれば平等になる」と教わったものです。でも、十二運と通変の性質を知っておき、自分の命式と照らし合わせてどう過ごすかを考えればより満足できる人生を送る可能性が高まります。

もともと私は命式に帝旺と偏財を持っていたので、46歳からの10年間にフルスロットル状態で財を成すことにしました。こういう強すぎる運気は終わり方がむずかしく、下手したらバブル崩壊みたいになります。そこで、56歳から日本語教師養成講座に通い、副業として3年間教壇に立つことにしました。あえて組織の下っ端で薄給に甘んじることで帝旺と偏財を断ち切ったわけです。

今は建禄・傷官の10年間なので、そこそこ世俗の欲も持ち続ける一方で自分のやりたいことに特化して生きるつもりです。

楽しみなのは76歳からの沐浴! きっとお風呂三昧になるはずです。コロナ禍の中、ひっそりと全国の温泉を訪れているのは、この10年間の下調べのためです。通変は劫財だから温浴設備のある高齢者施設での穏やかに生活を夢見ています。

できれば沐浴の10年間が終わる85歳ぐらいでこの世を去りたいけれど、死期は自分でコントロールできません。沐浴の次に巡ってくるのは長生。あまり長生きしたくないのにと不安になります。しかも86歳からは養で比肩。自分の世話ができない赤ちゃんのような要介護状態なのに、頑固で扱いにくい老婆ではどうしようもありません。孤独に強いという面もあるので、ビジネスライクに介護だけ受けて人的交流はあまりない施設を探したほうがいいかもしれません。もちろん、延命処理は一切受けないという書類に署名捺印し、生前契約の組織に渡しています。

終活を始めていつ死んでも大丈夫なように生前契約を済ませたのは、四柱推命を学び生涯の大運の流れを俯瞰したからです。親孝行な子供がいてすべて任せられるという人以外は、どんな老後になるかをイメージし、どう準備すればいいか糸口がつかんでおくほうがいいでしょう。

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