開運ネタが満載のマルコム・グラッドウェルの本を読み進めています。
この本も最高。
原題は"blink(ひらめき)"。理屈ではなく、最初の2秒でなんとなく察する能力。心理学では「適応性無意識」と呼ぶそうです。占い師としてはぜひ磨きたい能力です。
ひらめきがいつも正しいとは限りません。「運命の人!」と舞い上がった恋愛が悲惨な結末を迎えたり、信頼できるとお金を預けた人が詐欺師だったりすることもあります。
たとえば、あなたが婚活をしているとしましょう。スペック的には問題のない相手ですが、本当に結婚して大丈夫かどうかを確かめるためにどちらの方法を選びますか。
1 一年間にわたって週に2回会って、一緒に食事をしたり映画を見たりして親しくなる。
2 留守の時に訪れて、部屋を見て回る
多くの人は1を選ぶのではないでしょうか。
しかし、正解は2です。
心理学者のサミュエル・ゴスリングの実験は示唆に富んでいます。
大学生80人の性格を詳しく調べ、親しい友人に質問してどのくらい当人の性格をわかっているかを調べました。
そして、当人に一度も会ったことのない人に大学の寮の部屋を観察させて、同じ質問をしたのです。
実験の結果、まったく知らない人物の部屋を観察したほうが長年の知り合いよりも理解できるということがわかりました。「この人と結婚しても大丈夫か」を知りたいのなら、部屋を見ればいいのです。
この話を読んで、「手相を書く」という開運法を思い浮かべました。手相は固定されたものではなく、生き方によって変わります。だったら、吉とされる手相をペンで描くことで運気が好転するのではないか。ただ、ペンで描いた手相を見られると「あやしい人」と思わるリスクがあります。
それよりも、いかにも運のいい人が住んでいる部屋のようにすることが効果的ではないでしょうか。
開運の波に乗っている人は、部屋も整っているはず。
汚れた食器をシンクに放置していないし、部屋の隅にホコリも溜まっていません。玄関の靴は揃えられ、たたきはピカピカに磨かれています。キッチンや浴室の排水口はゴミが取り除かれ、スムーズに流れています。箪笥やクローゼットの中はすっきりと整理され、無駄なものがありません。
クリスマスが過ぎ、大掃除の進捗はどうでしょうか。義務感にかられて掃除をするのではなく、運のいい人が住んでいる部屋にすると考えるだけで、大掃除のモチベーションがぐっと上がるはずです。