2021年は辛丑(かのとうし)の年

2021年が明けると、5日が小寒で己丑月が始まります。実際の暦の切り替わり(2021年の立春)より早く「丑」のムードが世の中に漂い始めるでしょう。とはいえ、目に見えてはっきりとなにかが変わるわけではありません。

「丑」は、土の五行に属する性質ではありますが、今年の「子」と同じく水の五行の仲間でもあります。最も寒くて暗い時間帯や季節を司るのが「丑」です。私たちにできるのは、厳しい寒さに備え、冬だからこそできる活動に励むこと、です。

そもそも「寅(うしとら)」とは艮(うしとら)、つまり北東の「鬼門」の方角を指します。時間であれば深夜です。「丑三つ時」「丑の刻参り」という言葉は、みなさまご存知でしょう。季節なら厳冬期から春に向かう時期です。

「丑」とは、まだ暗くて寒くて先がよく見えない過渡期です。ぬかるむ足元をしっかり確かめながら慎重に進まなくてはなりません。光あふれる中で順調に物事が進んだり、何の心配もなく伸びやかに成長できるのは、もう少し先なのです。

2021年を干支で読み解く

2021年は「辛丑(かのとうし)」の年です。輝く宝玉(辛)が、冬の冷たい湿った大地の上に乗っている図。「陰田」「冬玉」と言われ、凍った大地に眠る宝物のイメージです。

五行の配列では、地支の土が、天干の金に相生関係で土生金。生じられる相生関係はラッキー!と思いがちですが、辛(宝玉)にとって、土に埋められるのは喜ばしい状態ではありません。辛(宝玉)がその輝きを存分に放つためには、水で洗い清めて光を当てる必要があります。

例え最初は厳しく感じられようとも、勇気を持って世の中に出ていき、自分の才覚や能力を認められて、周りから引き立ててもらう必要があります。生来の敏感さや繊細さをうまくコントロールして、周囲の誰に何と言われても挫けない図太さやたくましさが辛(宝玉)には必要です。


まずは安定して確実な実力を蓄えましょう。付け焼き刃のハッタリやごまかしは通用しないときです。とはいえ、いくら豊かな知恵やアイデアがあり、分別のある理知的な人であっても、目立たぬように隠れて、ただじっと待っているだけでは幸運に巡り合うことは難しいでしょう。さまざまな形で他者と関わり、世の中と関わる経験の蓄積が大切です。どんなに自分が頑張っているといっても、適切な謙虚さも忘れずに。それとは別に不当な搾取や理不尽な攻撃から身を守る強さとを身に付けましょう。没個性はダメですが、自己主張が激しすぎるのもダメです。匙加減が重要です。

単なるハウツー的な表層的知識ではなく、基礎から時間をかけた専門分野の学習や研究に適した時期です。古典や古くからの定番といった派手ではないが、長い歴史の中を残ってきた文化資産に目を向けてみてください。また、助け合える仲間や信頼しあえる配偶者など、パートナーシップを大切に、または誰かとタッグを組んでください。自分に欠けている素質や能力を補いあえるような人がいいでしょう。妙な嫉妬やライバル心は自分を窮地に追い込みます。素直に他人の能力を称賛し、目上の人やその道の先輩などにスムーズに助けを求められるような関係があればたいへん心強いでしょう。

2021年の雰囲気と流れをざっくりと

2020年に引き続き、深刻で暗いムードが世の中に広がりやすいときです。お互いが神経質になり、不安が広がる状況の収束はまだ先になるでしょう。どんな状況でも決してあきらめない粘り強さとしたたかさを忘れずに、焦ることなく心の余裕や、笑顔や明るさを意識的に忘れないようにしてください。

世界的なCOVID-19の蔓延には、まだまだ警戒が必要です。春先の3月、そしてオリンピックが予定されている7月が大きなポイントになるでしょう。ワクチン接種が無事に広がって安全な状態が増えることを願うばかりです。夏になればいまより減少するとしても、残念ながらおそらく2021年の今頃にも感染者の増加がみられ、もとどおりの世の中にになるとは考えにくい流れです。オリンピックは無理やり開催する予定で強引に計画を進めているのかもしれませんが、7月はひとすじなわではいかなそうな流れですし、個人的にはオリンピックどころじゃないよ!と思っています。

肉体は動かなくても情報のやりとりはますます活発に盛んになり、実際に自分が体を使って技術を身に付けることの大切さや、人と人とがリアルで顔を合わせることの価値を見直す場面も増えていきます。とはいえ、いわゆる「コミュ力・コミュ強者」「リア充」の能力が重視されるこれまでの世界よりも、高度な専門性を持つ人にとっては生きやすい場面が多くなります。年収や肩書きであなたの価値が決まるのではありません。生活の充実や心の充足を最優先する人が増えるでしょう。

リモートワークや、インターネット配信などはこれまで以上に盛んになり、それがあたりまえのひとつの選択肢となります。それ自体は喜ばしい方向性ではありますが、どんどん発展する新しい技術に適応できるかどうか、そもそも生活の中でデジタルデバイスを使いこなせるだけの能力やその機会が与えられるかどうかによって、社会における人々の格差やクラスタ毎の分断がますます大きく広がりそうな懸念もあります。もともと恵まれた環境にいる人はますます伸びますが、家族や会社といった所属先の属性によって、自分の可能性が強制的に狭められてしまう危険性があるのです。

環境が自分に合わせてくれるのを望むより、自分から自分にあった環境を求めましょう。なにごとにも決して完璧はありません。世間がそうだから、常識がそうだから、親がそう言うから、周りの目が怖いから、という時代ではなくなっていきます。これからの自分にとっては何がいちばん重要なのか、自分が絶対に譲れないものはなにかをしっかりと見定め、それ以外は思い切って手放す勇気も必要です。

2021年に大きな役が回ってきそうな方々リスト

2020年の主役は「辛」生まれのみなさまです。

辛の日生まれ(辛丑・辛卯・辛巳・辛未・辛酉・辛亥)
→ 貫索星+天印星

これまでの「自分」のあり方を見直すとき。いまの環境や手がけていることと、あなたの能力や気持ちはぴったりマッチしていますか?何か目標や目的がありますか?それに向かって自己研鑽を積んできましたか?

辛の人は、プライドが高く、常にカッコよくありたいスタイリッシュな人たちですが、自分の弱みや揺れる心を外に見せるのが苦手です。そのため周りから「人間らしさに欠ける」とみられたり、素直に助けを求めたほうがいい場面でそれができずに事態をこじらせてしまったりしがちです。人間は誰しも完璧ではないこと、カッコつけずに等身大の自分を認めて受け入れることを再確認するタイミングとして2021年を生かしてください。

辛丑がある → 生きかた再確認のとき

◇ 辛丑年生まれ 1961年生・還暦60歳の方々=干支一周おめでとうございます!人生再スタートのとき
◇ 辛丑月生まれ 現状の役割や立場がしっかりご自分に似合ってる人はそのままOK。似合ってない人は変革が必要
◇ 辛丑日生まれ いまのご自分の生活や生き方に満足していますか?フィットしている方はそのままどうぞ。改革が必要な人は思い切って踏み出すチャンスのときです。結婚・転職・離婚など人生の転機を迎える方も。

「この一念がいつか必ず通じる」と念じるのも悪くありませんが、柔らかく交渉してみたり、「これでなければ!」と信じていた以外の可能性を探ってみたり、「押してダメなら引いてみな」の精神で取り組んでみてください。

地支に未がある
乙未・丁未・己未・辛未・癸未が、生まれ年・月・日のどこかにある

丑vs未は、頑固モノ同士の睨み合いです。正面衝突はダメ。
生まれ年に未 これまであたりまえとおもって疑わなかった自分の常識を見直してみてください。
◇生まれ月に未 居場所や肩書き、立場をリニューアルするとき。周りの意見に丁寧に耳を傾けて。
◇生まれ日に未 配偶者や家族との時間をだいじに。住まいや暮らしを改善するのに良いタイミング。

辛未がある → 足元注意!焦りは禁物。自分にとってのあたりまえを書き換えるバージョンアップのとき。

◇ 辛未年生まれ 1991年生 東洋版サターンリターン!大人の階段をのぼるとき
◇ 辛未月生まれ 職場や家庭での立場の変更を求められます。自分の足元しっかり点検を
◇ 辛未日生まれ パートナーシップや家庭での役割など、私生活で大きな変化があります

丁未がある → 全般に強気で好調に進めますが、そんなときこそ基礎や単純作業がだいじです。

◇ 丁未年生まれ 1967年生 より良い次世代と後進を育てる役目にジョブチェンジのとき
◇ 丁未月生まれ 情熱をストレートにぶつけてもうまく伝わらないでしょう。冷静な根回し大事
◇ 丁未日生まれ まずは「企画書」を作りましょう。具体的にコツコツとあなたの仲間を増やして

自分なりの処世術を身に付けた臨機応変な「乙」生まれの人たちですが、2021年はこれまでの勝ちパターンが通用しない場面が増えてきます。理不尽と感じる出来事もあるかもしれませんが、さらなるバージョンアップへの修業のときです。

乙未がある → 自分の願いや意見をはっきり表明しよう。衝突や摩擦を恐れないで。

◇ 乙未年生まれ 1955年生 肩書きや役割が変わる時期 2015年生は小学校入学
◇ 乙未月生まれ 「察する/察し合う」ではなく、言葉のコミュニケーションを大切に。
◇ 乙未日生まれ 我慢は禁物ですが、筋トレや新しい学習など自分を鍛える良いタイミング

全体的にシリアスなムードが漂いやすい時期なので、未の人たちの穏やかさや笑顔は、世の中を温める癒しになります。みんなが真剣な顔をしている時だからこそ、未来への希望を大切に、激しい競争ではなく、お互いが認め合えるような安息の場を作るため、あなたの活躍が求められます。

子がある → 何かを学び習得するのにとても良いタイミングです。リモートでの学習や、技術の習得や作品の制作などに根気強く取り組んでみませんか。

巳・酉がある → 具体的にどこにどんな影響が予想されるかは、人によります。(詳しくは鑑定へどうぞ!)

辛巳・辛酉がある
◇ 辛巳・辛酉年(1941年・2001年・1981年生まれ)社会との接点が増大
◇ 辛巳・辛酉月 自分の居場所での役割が増えます。公平さと寛容さを忘れずに
◇ 辛巳・辛酉日 私生活の充実、自我意識や自己主張をはっきりと(やりすぎ注意!)

子丑グループ生まれ(甲寅、乙卯、丙辰、丁巳、戊午、己未、庚申、辛酉、壬戌、癸亥)

天中殺期間だからといって、誰にもいきなり悪いことばかり起こるわけではないので、無駄に心配する必要はありません。もともとふだんから人に頼られやすくて面倒見の良いあなたですから、天中殺期間もその調子でいきましょう。一足飛びに成果を求めたり、濡れ手で泡のような美味しい話に乗らずに、粛々と淡々と日々の生活の中で努力を積み重ねていくときです。

丙の日生まれ → ふだんと違う自分になれるとき
いつもは正々堂々と公明正大、その場のムードメーカーとしての役割を果たす丙の人たちですが、2021年はちょっと言葉数をふだんより減らしたり、聞き役に回って誰かのサポートや裏方の役に回ってみてはいかがでしょう?もともと広い視野から全体を見ることに優れた能力を持つあなたですから、ふだんは主演の俳優が映画監督や演出家になるように、違った役割を演じてみるのもお手のものでしょう。2021年のオススメ当たり役は「口数の少ない謎めいた知性派の監督」の役です。めざせ主演女優!ファイト!

2021年の展望まとめ

辛丑年は、激動の2020年に比べると、世の中の流れがゆっくりで(まだコロナなの?またコロナなの?とうんざりするのか…)せっかちな人たちにとってはもどかしく感じられるかもしれません。しかし焦りは禁物です。「辛」は「辛抱」の「辛」でもあります。冬の吹雪の中に裸で飛び出してはいけません。じっくり準備して実力を蓄える人ほど、この先の未来に長く安定して活躍できるでしょう。

先日の「2021年を東西占術で読む」でも、「2021年のキーワードは、心を燃やせ!です」とお話したばかりです。冬だからできることはなんでしょう?

腰を据えてじっくりと思索や研究を深めたり、長い年月を耐えうるような頑丈な仕組みを作ったり、自分とは違った能力を持つ腕利きの仲間を集めたり、やがて来る春と夜明けのあとの世界に備えて、それぞれに備え、それぞれに大切なことはなにかを探究していきましょう。

先日の「2021年を東西占術で読む」は、もうご覧いただけましたか?混迷の2021年のヒントとして、ぜひ!合わせてご覧ください。

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十干別の運勢は下記リンク先からどうぞ。

「じぶんだいじに」石門星・貫索星が回るのは、庚と辛の人たち。

「未来を夢見て」玉堂星・龍高星が回るのは、壬と癸の人たち。

「いまを生きる」調舒星・鳳閣星が回るのは、戊と己の人たち。

「きちんとがんばる」牽牛星・車騎星が回るのは、甲と乙の人たち。

「豊かな暮らし」司禄星・禄存星が回るのは、丙と丁の人たち。

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