わたしは、2004年にひとりで開業して、一台ベッドでマンツーマン施術の治療院をやっています。最初の頃は、1枠(来てから帰るまでだいたい75分)6.000円でした。(いまは1枠7.000円です。ご新規様は現在受け付けていません)

ときどきこんな質問をされます。「ねえねえ、1日に何人くらいくるの?」

この質問だとまだ返事のしようもあるのですが、なんのてらいもなく、超ストレートに「1ヶ月に何人くらいくるの?」と聞かれることもあります。だいたい男性ですね。ビジネスマーンがそういうこと言う。つまりそれって要するに「あなた、1ヶ月にいくら売り上げてるの?」という質問ですよね。

うむ。よろしい。じゃあ試算してみます?

例えば、1枠6000円で、1日4人いらしたら、6.000円×4人=2万4千円
30日稼働は無理なので、25日稼働としたら、24.000円×25日=60万円

脳内計算や、机上の計算だと、売り上げの総額から各種の経費を引いた金額がいくらになるかな?ってことですね。だからお客さんが面白がってわたしに「月に何人くるの?ここの家賃はいくら?」って聞くわけです。テキトーに答えて「そうなんですよ。お察しの通り超!貧乏で毎月困っているので、◯◯さん、これから治療費は3倍でお願いしますね。にっこり」ってよくやってました。

そして、労働時間は75分×4枠=300分だから5時間で、だいたい時給6000円なの?って思った人います?
それは盛大に間違ってます。ぷんすこ。

もう時効だと思うのでぶっちゃけますが「いいですよね。お客さんが来たときだけ対応すればいい仕事は」って、徹夜で作業するタイプの人に真顔で言われたときは、ぶっとい鍼持ってきてぶっ刺したいくらい、心でブチ切れたことはあります。とにかく施術するだけじゃなくって、それに付随する業務や対応もいろいろあって、結構なんだかんだと大変です。前後の準備や掃除や洗濯や会計や告知やら全部自分でやります。はあ…(いろいろおもいだしたら、くらくらしてきた…他人の仕事にめったなことを口出しするもんじゃありませんよ。ぷんすこ)

それにしても、そもそも24.000円×25日=60万円って、それってどうかな?

すでにこの時点で、この試算は結構怪しいと思いませんか?まず、いきなり最初から毎日コンスタントに4人お客さんがくるか?って、まずここはツッコミどころだ。まったくなにもないところからはじめる個人営業で、常に毎日コンスタントに4人来てくれたらすごいですよ。すごい。うらやま!うらやま!そんな人には、こんなしょぼい文書を読んでほしくない。切実。

まぁ最初はダメでも、諦めずにだんだん努力しているうちに、たくさんお客様が来てくれる状況ってのは確かにあります。しかしながら、そうなると今度はたくさんお断りしなければならない苦行もやってきます。(突然!急に!来たがる人は結構多いんだよ!)さらに急なドタキャンや変更があったり、想定外のところからいろんな質問やクレームがあったり、無理難題をめちゃくちゃ強烈にプッシュされたりします。ほんとーに想像もつかないことは結構あるんですわよ。

あとは、ずーっとひとりでこのペースで働き続けられるか?という問題もありますね。(私はこれに直面しました)

じゃあ、ベッド数を増やして、同時に複数の人を相手にすればいいのでは?うん。これはいいアイデアですね。占いではこれはできないけど、治療院だったら可能です。私が大昔に紹介されて行った鍼灸院は、仕切りも衝立もほとんどないところで半裸になってずらりと並べられてました。あのときわたし、まだ大学生の女子だったんだけどなー。おっさんたちにじろじろみられてすげー嫌だった。すごい世界ですね。でもあのとき「専門職ってすげーな。このセンセー、めっちゃ儲けとるな!これでひとり五千円か!5ベッドあるけど、1日にこれを何回転するんだ?」と思ったことは、よく覚えています。

まぁいいや。つづく。

きょうはnoteも書いたので、ぜひ合わせてご覧ください。

昨日の分はこちらです。

あとから「会社経営」の場合のコメントを、みずまち先生がお寄せくださってました。

会社から定期的に決まった額の「役員報酬」を受け取る形になるのですね。
なるほど。勉強になります!

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