おはようございます。今朝のデイリーメッセージは、日曜枠から出張してきた天海玉紀がお届けします。

きょうは「黒っぽいカード」のお話です。

こちらをご覧くださっているみなさまにおかれましては、タロットカードで占いをなさる方や、タロットカードに興味をお持ちの方がたくさんいらっしゃることでしょう。

例えばこんな感じ。ライダー版のフルデッキの中から、黒っぽいカードをピックアップしてみました。他にも「怖い」「悲しい」などと言われやすいカードがありますが、とりあえずここでは黒っぽいものだけ。どん。


タロットを学び始めて間もない頃や、そもそもタロットを全然知らない方々に占いをするときなど、一連の「黒っぽいカード」が出てくると「とても怖い」「不安になる」「悪いことが起こる」と動揺した経験は、誰しもきっとあるでしょう。

わたしは仲の良い友人(not 占い師)は、極力占わないようにしていますが、それでもどうしても頼まれることはあります。ええ。だいたい切羽詰まってどうしようもないときですよね。はい。そういうときに、こういう方々が出てくるわけです。そうです。例えばこんな人が。どん。


あーーー。黒いだけでなく、絵柄が怖いと言われるカードのひとつですね。ソードの10がスプレッドの目立つところにドーンと現れました。

いつもは「占いは勉強しません。占ってもらうのが好きだから!」と、ハツラツと元気な友人が、はっと顔色を変えて、目にいっぱい涙を溜めて「これはわたしだ」と号泣しはじめました。占いを全然知らない人でも、この絵を見てそこから連想を広げることは容易でしょう。

ずっとひとりで長い時間我慢して溜め込んできた言葉にできない気持ちが、いきなり象徴的な絵柄を見せられることで、決壊して溢れ出したようでした。


これはまた別の話。とてもとても複雑な話をずーっと語って聞かせてくれた友人に「じゃあみてみようか」と、私が並べたスプレッドのど真ん中に現れたカードは、死神。英語が堪能な友人はちょっと驚いた顔をして、とても美しい発音で「Death?◯◯は死ぬの?」と尋ねてきました。

「大丈夫。これは象徴としてのDeathだから、実際に死ぬわけじゃないよ。心配しないで。でも、今の状況はずっとこのままじゃなくて、そう遠くないうちに、大きく根こそぎ変わると思うよ。リフォームとかマイナーチェンジとかじゃなく、ばっさりと大きく。そしてもう元には戻らない」と私は答えたはずです。

波瀾万丈な彼女の未来は、まだまだドラマティックな展開を迎えることでしょう。タロットカードの物語は、Deathで終わりじゃない。形を変えて、姿を変えて、そのあとまだまだ続くのですから。


わたしはインナーチャイルドカード会を毎月開催していますが、それなりの頻度で「タロットが怖くなってしまった」とおっしゃる方々が現れて、ときどきふらっと参加してくださいます。

確かに現場の「占い」として「当てる」ことは確かに現場で重要ですが、そこだけを求められてそこだけに集中していくと、なかなか苦しくなる気持ちが生まれるメカニズムは、個人的にもよくわかります。

ちなみに、インナーチャイルドカードで、13番Deathに相当するのは「眠れる森の美女」のカードです。

「なんだ死なないじゃん。寝るだけじゃん」っておっしゃる人もいらっしゃるけど、ここでの「眠りと変容」は、理不尽だし強制的な上に、もう二度と元には戻れない変化を促す不可逆な流れです。眠りは小さな死だとも言われます。意識を失う状態を「怖い」と感じる人はやっぱりいるでしょう。

なんにしても、誰の中にも「黒い気持ち」や「暗い時期」が存在します。「わたしにはそんなものはない」とキラキラと強い光で目を眩ませるほど、影もまた濃くなっていくでしょう。

自分自身の中に黒くて暗い部分があることを否定せずに認めて、それなりにうまく付き合っていくことができるようになれば、他人の中にもまたそのような部分があることを認めたり、適切に付き合っていくことができるようになるかもしれません。


まついなつき著「ウラナイトナカイ解散記念 チラシウラ タロットコラム56」
↑ まだお持ちでない方は、ぜひぜひお薦めです。

p.08 「死神」カードが出たら死んじゃうの?
p.34 黒いカードがあなたにもたらす災厄の正体
p.42 死神のカードが運ぶもの

卜術の上達には、とにかく「実践」あるのみ。たくさんの実例の話を聞けば聞くほど、自分の想像を遥かに超えたいろんな人の人生に触れられますし、実践的なリーディングの解像度が高まります。

夏瀬杏子先生が開催しているタロットや易の練習会もお薦めですよ。私が毎月開催している新月インナーチャイルドカード会にもぜひどうぞ。お待ちしております。

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