先日、杏子さんの易読みの会に顔を出しました。みんなで卦を立ててそれぞれの読み方を発表するのが楽しくてたまりません。易と出会ったことで、長い老後も退屈せずにすみそうです。

杏子さんと甘夏さんがマギー先生の易の本を持参していました。青い表紙を目にしたとたん、マギー先生の思い出がよみがえりました。

編集者から注文があれば何でも書くライターから、占いをメインにし始めていた頃、マギー先生に出会いました。2001年の秋でした。小学館の「美的」の占い特集でマギー先生と小説家の嶽本野ばら氏の対談企画。コスメやファッションの雑誌でも年末に占い特集が組まれます。嶽本氏が陰陽師の扮装をしたので撮影にとても時間がかかったのを覚えています。

その後、マギー先生が占い専門誌を紹介してくださり、そのおかげで占いライターとしての足場を作ることができました。

こうして易読み会に参加して、若い人と知り合って楽しく暮らしていけるのも、マギー先生のおかげです。でも、マギー先生に恩返ししたくても先生はもうこの世にいません。

マギー先生から受けた恩は若い人に送っていきます。そして若い人が、次の世代へと恩を送り、恩がぐるぐると回っていけば最高です。

日本語で「恩送り」、英語で"Pay it Foward"。

30年ほど前、勤めていた会社を辞めて3カ月のアイルランドの旅に出ました。新しい街に着くと、まずパブで情報収集。アイリッシュ・パブは昼間から開いていて、地域の交流センターとして機能しています。外国人旅行者が来店するだけで、ご常連たちは興味津々。カウンターでギネスを注文すると「おごらせて」とよく声がかかりました。アイルランド人の国民飲料であるギネスを外国人が飲むというだけで、うれしくなるのでしょう。じゃあ、次は私から一杯と申し出ると「いつか私が東京に行ったら、日本酒を一杯、おごってくれたらいいんだよ」と言われました。今みたいにメールアドレスを交換したりフェイスブックで友達になれる時代じゃありませんでした。もう二度と再会することはないだろうに、なんと粋なふるまいだろうと感心しました。カウチサーフィンや外国人留学生のホストファミリーを始めたのは、この時の恩を返すためです。

人生の折り返し地点を過ぎ、若い頃に受けた運をどんどん回していく時期となりました。この境地に到達できたことを心からうれしく思います。

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