占いの原稿を書くために、まずロジックの勉強を始めたのですが、別の系列に霊感系占い師がいます。幼い頃から霊感が強いとか、何代も続く霊能者の家系といった謳い文句で、理屈はないけれどとにかく視えるという占い師。占い学校で十干十二支の基礎から学んでいる身には、眉唾ものに感じられました。
しかし皮肉なことに、占い学校でできた唯一の友人が霊感系だったのです。知り合った当時は外資系企業の営業ウーマンでしたが、そのうち専業占い師となり実家のある島根にIターン。年に何度か上京して一気に鑑定をこなして一年分の稼ぎを得ます。常に予約が一杯で新規は受け付けておらず、鑑定のために島根まで出向くお客さんも珍しくないという売れっ子状態。
使用占術は四柱推命と周易ですが、彼女によると単なる取っ掛かりに過ぎず命式や卦を出してお客さんと向き合っていると、自然に言葉が出てくると言うのです。ある日は、奇妙な訛りが出るのでおかしいと思っていたら、鑑定後に「先生はどうして私の田舎の方言を使うのですか」と言われたそうです。そのお客さんを守るご先祖様か守護霊みたいな存在が彼女をチャネラーとして使ってメッセージを伝えたのでしょう。
「自分は単なる空洞で、ただ言葉を通しているだけ」というのが彼女の口癖。アメリカの作家のエリザベス・ギルバートが「創造性は個人の中から生まれるのではなく、精霊なものによってもたらされる」と語っていますが、私の精霊はもっぱらライター業だけで占いの場にはあまり出てきてくれません。
先日の阿佐ヶ谷の占いイベントでは、ゆみこさんの水晶リーデイングと杏子さんのガイドアニマルがありました。どこかから届くふわっとしたものが占い師を通してビジュアル化されます。
私のハイヤーセルフは「観音」になれと言っているそうです。山と一体化した巨大な観音で、中が通り抜けられるようになっています。風や雨を避けられる、道の途中の休憩所。ゆくゆくは信者を集める?
昔やっていた外国人旅行者を自宅に泊めるカウチサーフィンや日本語教師がこのイメージに近い。日本を訪れた外国人が真っ先に接して頼りにされる存在。今は日本円がとんでもなく弱くなって、やる意味がなくなりました。だったらちょっと不吉ですが、死に方を教える観音なんてどうでしょう。誰もがいつかは迎える死に対峙するロールモデルとか。そのうちこの絵の意味することがわかるでしょう。
そして杏子さんによると私のガイドアニマルはサル。好奇心旺盛で私の肩につかまって一緒に旅をしているらしい。「ライラの冒険 黄金の羅針盤」という映画では、人間はみんな動物の形をしたダイモン(守護精霊)を連れています。ニコール・キッドマンが演じたコールター夫人のダイモンは金色の猿で美しく残忍冷酷な設定でしたが、私の猿はキュリオス・ジョージのイメージ。だったら私は黄色いおじさん?
こんなふうに鑑定後も連想がひろがりますし、占い師をチャネラーとして別の世界とつながってみるのは、なかなかおもしろい体験です。次の機会があればぜひみなさんも試してみればいかがでしょうか。

















