3カ月ごと、柔軟宮の月に参加しているインナーチャイルドの会。野暮用が生じて大幅に遅れてしまいましたが、滑り込み参加できました。

大アルカナ、コートカード、小アルカナから1枚ずつ。知りたいのはこれから3カ月間の指針です。

 

不思議の国のアリス。

同じ場所をぐるぐる回っているだけのメリーゴーラウンドなんてつまらない。私はジェットコースターでアップダウンを楽しむほうを選びます。緊急事態宣言の終わりが見えない閉塞感がこのカードを引かせたのでしょうか。

気ままな旅ができないと嘆きつつ、スポーツクラブは規制の下で開いているから、限定されたスペースの中で楽しめます。読みたい本、観たいドラマも尽きていません。

そして本と言えば、ウラナイ8ブッククラブ。玉紀さん、ゆみこさんのおかげで日の目を見ました。

先月、NHKラジオ講座の現代英語で『オズの魔法使い』が取り上げられました。カンザスに戻りたいというドロシーに、親切な北の魔女は「エメラルドシティに行けばオズの魔法使いが助けてくれる」とアドバイスします。

"The road to the City of Emerald is paved with yellow brick. So you cannot miss it."

エメラルドシティへの道は黄色いレンガで敷き詰められているから、迷うことはない。

オンラインの掲示板でブッククラブをやりたいと思ったものの、作り方がわからない。そうしたらユミコさんが簡単にできそうな掲示板を教えてくれ、とにかく書き込みを始めました。次は広げ方がわからない。そうしたら玉紀さんが申込みの承認や告知を引き受けてくれました。まるで黄色いレンガ道を歩いているみたいで、ゆみこさんと玉紀さんは北と南の魔女。オズの魔法使いのカードが出たらどんぴしゃりだったのに。

 

そんなふうに思っていたら、コートカードがまさにドロシー!

アメリカ議会図書館が「アメリカで最も偉大で最も愛されている国産のおとぎ話」に認定しただけあって、アメリカ人の心に大きな影響を与えているようです。

番組のパートナー、ハンナ・グレースさんはNHK朝ドラ『花子とアン』で歌の上手なスコット先生役としておなじみですが、「ケンタッキーからはるばる日本に来たのも、この物語の影響があったから」と語っていました。

竜巻で家ごと飛ばされたドロシーが愛犬に向かって"Toto, I've got a feeling we're not in Kansas anymore."(トト、ここはカンザスじゃないみたいよ)という台詞はアメリカ映画史上最も有名な台詞の一つであり、この映画が上映されるとここで拍手が起こるそうです。「オズの魔法使い」によって、田舎を出て別世界で冒険するという物語がアメリカ人に刷り込まれているのでしょう。

気球に乗り遅れてカンザスに帰れなかったドロシーに南の魔女はこう教えます。

"Your Silver Shoes will carry you over the desert," replied the witch. "If you had known their power, you could have gone back to your Aunt Em the very first day you came to this country."

「銀の靴が砂漠を越えてあなたを運んでくれるでしょう」と魔女は答えた。「もしこの力を知っていれば、この国に着いたその日にエムおばさんのところに帰れたでしょう」

(インナーチャイルドカードでは赤い靴になっていますが、これは映画に合わせたため。当時の最新のテクニカラー技術を活かすため、原作の銀の靴を赤に変更したそうです。)

ドロシーはわざわざしなくてもいい冒険をしたということでしょうか? いえいえ、人間が生きるとはこういうこと。安らかな死を望んでいるからといって、最初から生まれて来なかったらいいわけではないのです。「望んでいたものは、すでにあなたの中にある」という教訓とも解釈できますが、私だったら「近道せずに遠回りして家に帰ろう」と考えます。

 

そして3枚目はソードの9。

ウエイト・スミス版では不眠症のカード。私にとって剣はペンです。9本の締切を抱えて缶詰め状態のライターに見えてきます。そんな売れっ子じゃないのですが、とにかく書き続けよということでしょう。書くためにはネタが必要。そしてネタを仕入れるためには、冒険に出なくては。物理的に移動しなくても、本やドラマ、ゲームの世界に心を奪われれば、それは冒険です。(ウラナイ8ブッククラブに玉紀さんがゲームを紹介してくれていますが、「トルネコの大冒険」というダンジョンゲームに入れ込んでいた頃、輪廻転生とはこういうことかと悟りました。どんなに経験を積んでも、次の冒険はゼロからスタートするのです。)

ウラナイ8ブッククラブ、おもしろい本を発掘するためのゆるい掲示板ですが、それぞれの冒険の書が見つかることを期待しています。

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