先週、ウラナイ8号室で開催された「真夏の夜に欲望を語る宴」。二夜にわたって、濃厚な時間を過ごしました。ご参加いただいた方、ありがとうございます。この会に先立って玉紀さんが引いた欲望のカードはガーディアン・エンジェルで、玉紀さんの欲望は「占いを自由に学んだり遊ぶことができる安全な場を作りたい」と言語化されました。
欲望の言語化は楽しいけれど、場所を選ばないと危険です。その点でもウラナイ8号室という安全な空間でインナーチャイルドカードを媒介に欲望について語り合えたのはありがたいことでした。
さて、欲望を言語化したら、次は欲望の大きさについて考えてみてはどうでしょうか。「旅に出たい」という欲望でも、日帰りか長期滞在か。あるいは国内か海外か。スペイン巡礼までは実現できたけれど、コロンビアまで行けるだろうか。体力と気力、現地での危機管理力がどこまであるかを測らないと自分に適した欲望のサイズがはっきりしません。
欲望(願い、夢、目標…)が現実のものになるのは幸運なことだと考えがちですが、自分の器以上だと使いこなせません。この流れでいつも思い出す話があります。
毎年の確定申告でお世話になっている税理士さんは、相続が専門の事務所に所属していたのですが、その後独立。その理由を話してもらいました。
「相続税を払うぐらいだから、高額な遺産を取り扱うことが多かった。東京の場合は土地がからむと一気に相続額が跳ね上がるし。それまで世間並の暮らしをしていた人が、これまで手にしたことのない多額のお金を手にして壊れていくケースがあまりにも多くて、見るのがつらかった。独立すれば、気の進まない依頼はお断りすることができるので」
壊れるというのは、仕事を辞めて自堕落な生活を送るようになるというパターン。お金はあるのに家族中はぎくしゃくして、寄って来るのはお金目当ての人ばかり。いくら莫大な遺産でも、散財を続けたり詐欺まがいの話に乗ればお金はどんどん溶けていきます。ひどい場合は、自己破産。遺産さえ相続しなければ、定年まで勤め上げる平穏な人生を送っていたかもしれないのに。
宝くじの高額当せん者にも自己破産する人が多いと聞きましたが、自分の器以上の幸運は使いこなせないばかりか、破滅をもたらすのでしょう。
器のサイズは固定されたものではなく、年齢や体験、状況によって伸縮します。いざ欲望が実現したときにおろおろすることがないよう、現在のサイズも把握しておきたいものです。