先日、「イタリア 真冬の川に飛び込む新年恒例のイベント 感染収束願う」というニュースを聞きました。

ローマでは毎年お正月に橋の上からテヴェレ川に飛び込むイベントが1946年から70年以上、続いているそうです。南欧とはいえ1月の平均気温は約12度だし、けっこうな高さの橋ですから気軽に参加というわけにはいきません。今年は4人の男性が参加し、その一人は68歳の男性。「パンデミック前の日常に戻ってほしい。愛する人とハグをしたり、頬にキスしたりすることを再開したい」と言う願をかけて飛び込んだそうです。

真冬の川に飛び込むのと感染収束は関係ないのに、なんと迷信深いことと笑うのは簡単ですが、人間は希望がないと生きていけません。明日を夢見ない人生は味気ないものです。

関西人はイタリア人は気質が似ているとよく言われますが、「阪神タイガース教」の過激な信者は阪神タイガースが優勝すると道頓堀に飛び込みます。プロ野球の一球団が優勝したところで人生が変わるわけではないけれど「阪神の優勝は人生で3度まで。それ以上を望むな」と教えられて育った関西人は、次の優勝はいつになるかわからないから、喜びを示すために飛び込みたいのです。

 

九星気学の講座でこんなことを教わりました。

マンモスと戦う原始人の部族。何度も敗れて村人の命が失われた。次こそ勝とうと、マンモスの足跡を槍で突いて勝利のおまじないをかけた。そんなことは非科学的で何の意味もないと切り捨てるなら、九星気学を学んでも意味はない。

東南の吉方取りをすれば良縁に恵まれ、北西なら出世する。もっともらしい説明はありますが、シンボルを扱うという点では原始人がマンモスの足跡を槍で突くのと同じです。

占いは実証や再現可能な科学ではなく、開運術を実行すればすべての人が同じように開運することはありません。

それでも「未来の自分はこうありたい」「こんな運が欲しい」と念じて動くことで、何かが変わります。少なくとも、迷信に過ぎないと切り捨てるより人生を楽しめます。真冬の川に飛び込むほど過激でなくても、開運のためにできることはたくさんあります。

風雲急を告げるヨーロッパの情勢。今となってみるとコロナだけを心配していた時代はなんと平和だったか。それでも希望を捨てずに世界と向き合い続けるしかありません。

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