11月の下旬に生まれたので、誕生日が過ぎるとすぐ12月となり、年の終わりを意識するようになります。

一昨年は母、昨年は父が亡くなり二年続けて喪中はがきを出しましたが、2023年はようやく年賀状が送れます。

学生時代の友人たちも親世代を亡くす年代となり、ちらほらと喪中はがきが届きます。ぎょっとしたのは、妹さんが60歳で亡くなったという喪中はがき。還暦を過ぎ、自分たちもいつ死んでもおかしくない年齢にさしかかってきました。タロットカードの「死神」と暮らしているようなものです。

伊泉龍一先生のタロット講座での「死神」についての解説。
「死神は冬のイメージ。寒いのが嫌でも、季節が巡れば必ず冬が来る。死も同じ。いつか冬(死)が来る。避けることはできない」

来世があるかどうかわからないので、本物の死のあとがどうなるか定かではありませんが、象徴的な死なら何度も迎えています。日本語教師だった頃、渋谷のセレブな学校に加えて、典型的な日本語学校(学生の大半がベトナム人)でも教え始め、毎週死にそうになっていました。占ってもらったら「死神」が出たことがあります。どうせ死ぬのなら死を全うしようと3年間続けて、日本語教師としての私は完全に死にました。

 

インナーチャイルドカードでは「死神」は「眠れる森の美女」。毎日の眠りも死のようなもの。

千日回峰行という荒行を二度行った天台宗の高僧、酒井雄哉氏は「一日一生」と考えています。

何も変わらないようにみえても、自分自身はいつもいつも新しくなっている。毎日毎日生まれ変わっているんだよ。一日だって同じ日はないしな。
だから、「一日が一生」と考える。「一日」を中心にやっていくと、今日一日全力を尽くして明日を迎えようと思える。

「一日が一生」という気構えで生きていると、あんまりつまらないことにこだわらなくなるよ。今日の自分は今日の自分、明日の自分は明日の自分、と考えれば、今日よくないことがあっても引きずらなくてすむ。

毎夜死んで、朝になると生まれる。小さな死と再生を繰り返して、いつか本当の死を迎えます。

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