今年の初め、沖縄滞在中にしきりと「ユンヂチ」という言葉を耳にしました。主に霊園や仏壇のテレビCMです。

沖縄の人は、風水や占いを重視します。地理的にも中国に近いので日本の家相とは異なり、住まい(陽宅)よりも、お墓(陰宅)に気を使います。そして、お墓や仏壇のあれこれは暦の専門家に相談して最適な日を選ぶなど、さまざまなしきたりに従わなければならないそうです。

ところが旧暦と新暦の調整のために設けられる期間であるユンヂチは、あの世から見えず神様も目をつぶっているとか。そのため、通常のしきたりに縛られずお墓や仏壇、位牌を購入したり移すことできるのです。霊園や仏壇の業者にとっては格好のビジネスチャンスであり、CMを流すのもわかります。信心深い沖縄県民も、現世の雑事をこなしつつお墓や仏事を取り仕切るのは大変ですからユンヂチを待って一気に片付けるなんて人も多いかもしれません。

 

還暦を過ぎたらいつ死んでもいいと思っている私は、常にユンヂチ状態。これ以上貪欲に運を求めてもどうなる、むしろこれまで受け取った運を世界に還元すべきでは。そしてコロナで3年ほど海外に出られない時期があり、方位を気にしていたら一生行けないところが増えてしまうという思いが強くなりました。

コロナ明けのスペイン巡礼。日本から見てスペインは西北に当たるので、五黄殺の年でしたが、これ以上長引かせると体力的に7週間を歩き通すのは無理だと思い強行しました。スペインは南欧のイメージがあるし、風水の黒門先生が「東南アジアは日本から西南の方位だけど、東南と長く呼ばれていたことから東南の象意も出る」と話していたのを思い出しました。結果的に、このタイミングで行ったからこそ出会えた人々との交流を楽しめた旅となりました。

そして、今回のコロンビア。日本から東で、南米の南のイメージがありますが、方位的には東北。今年は二黒木星が中宮なのでこれまた五黄殺です。しかし、来年に延期したコロンビアまで行く気力が枯れそうなので待てません。

九星気学はすばらしい占いだと思いますが、凶方位や凶のタイミングを気にして行動を起こさず、結局はあきらめるという人生はいかがなものかと思います。

首都のボゴタや国際港湾都市のカルタヘナでは白昼堂々と事件は起こりにくいでしょうが、懸念は『百年の孤独』の舞台である村への道中。かつては路線バスにも反政府ゲリラが乗り込んできて人質になりそうな乗客を物色したこともあったそうです。今はそんなことはないでしょうが、安全策を取って現地の旅行社にアテンドをお願いし専用車で移動することにしました。そこまでして何か起こったら、しかたがありません。

 

占いはおもしろくて役に立つけれど、すべてを占いに頼ってはいけない。占いを超越してやりたいことがあるならやってみる。だからこそ、占いも楽しめるのです。

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