細木数子をドラマ化したNetflix「地獄に堕ちるわよ」が公開中。
女性ライターが細木の自伝小説を書くために全盛期の細木数子に取材するという設定。戦後の焼け野原で必死に生き抜いた少女が商売を始め、銀座のバーの経営者に上り詰め、占いを使って一世を風靡するプロセスが描かれています。
細木数子の母親が街頭易者に占ってもらうシーンがあります。「娘は借金してまで銀座に店を構えるという。うまくいくのか」という占的。
易者が出したのは地沢臨(ちたくりん)の二爻です。初爻と二爻が陽で三爻から上爻が陰。易は下から上へと見ていくので、二つの陽がどんどん伸びている勢いのある卦です。爻辞にも「大いに利あり」とあり、易者の見立ては「大成功。ただし欲望が大きくなりすぎて、己の欲望に飲み込まれる」というもの。その後の展開を当てています。
そして細木数子が女性ライターに「同じ働くといっても、人に雇われるか自分でやるかで天動説と地動説ほど違う」と語るシーン。
易の卦に置き換えれば、すべて陽の天(乾)が自営業で、人に雇われるのがすべて陰の地(坤)です。
能動的な陽に対して陰は受動的。英訳ではそれぞれクリエィティブ、レセプティブです。自分で商売をやるなら、常に自分の頭で考えて決断しなければならない。雇われているのなら、言わたことだけやっていればいい。大きな違いです。
ドラマでは細木数子は雇われホステスで資金を貯め、朝はおにぎり、昼はサンドイッチを出す立ち食いの小さな店を始めます。「商売のキモは客が何を求めているかつかむこと」と語る通り、戦後の復興で大忙しの忙しい労働者に安価でスピーディな食事を提供したのです。店は繁盛しましたが労働量も半端ではなく、見切りをつけてクラブ経営に乗り出します。クラブの客が求めるのは内容のある会話ということで、新聞の隅々まで目を通し大学に潜り込んでニセ学生として講義を受けたりします。
ここで止めておけば商売上手な女性として安泰な人生で終わったかもしれませんが、その後の展開はご存じの通り。裏の世界と結びつき、人気女性歌手を洗脳してテレビ界に君臨し、認知症ぎみの大御所と無理やり籍を入れようとするなど波乱万丈の人生を生きたのです。













