意志力が弱い。禁酒を誓っても守れたことがありませんし、ダンスは好きだから続けられますが、筋トレはサボってばかりです。
ホームレスからハーバード大学に進学したリズ・マレーの『ブレイキング・ナイト』を開運の書として取り上げました。ニューヨーク・タイムズが飛びついてきそうな内容のエッセイを書いて奨学金を得たという話です。
https://bob0524.hatenablog.com/entry/2025/10/04/065650
適切なタイミングで、ぼた餅が落ちてくる場所に達するまでには準備が必要。高校で優秀な成績を取るのは、中学から不登校だったリズにはかなり高いハードルです。そもそも、決まった寝場所がなく泊めてくれる家や時には地下鉄に乗って夜を明かすこともあり、慢性的な睡眠不足。栄養状態もよくないでしょう。「今日は高校を休もうか」と思う日も多かったはずです。
しかし、リズは意志力以上にイメージする力が強いのです。
新しい高校に通い始めようと決意してまずやったのは、白紙の成績書のコピーをもらうこと。文字通り、白紙に戻ってやり直せると胸が高鳴ります。そして、成績書の空欄にずらりとAを書き入れたのです。
自分でそれをイメージできれば、すでにAを取ったも同然のような気がした。毎日、すでに取ったAを追いかけていくだけだ。
この先、学校に行きたくないことだってあるだろう。そんなときは、成績証明書のことを考えよう。
自己啓発本の受け売りではなく、自分でこんなことを思いつくとはやはりは特別な才能の持ち主です。私は手帳やメモ帳を集めるのが趣味で、一日の始まりにTO DO LISTを書き込むのが好き。すばらしく生産的な一日になるような気がするから。ただ私は書いただけで満足し、日が暮れると酒を飲み始めて一日が終わってしまいます。それでも現役時代、締切を絶対に落とさなかったのは毎朝のTO DO LISTのおかげでした。
もう一つ、リズが繰り返し思い浮かべたイメージが競技場を走るランナーです。
他の走者はおらず、一人だけで走る。たくさんのハードルを越える。重い教科書、めちゃくちゃな睡眠時間、今日はどこで眠り、何を食べるのかという不安。眠る場所を見つけるのもハードル、勉強もハードル。すべてのハードルは卒業証書に向かって前進するためにある。
伊東市長に聞かせたくなる話ですが、占い師にもイメージの力が必須です。
ホロスコープや命式、カード、卦を見て目の前のお客さんに適したイメージを伝えることができなければ、鑑定の意味はありません。占いの本に書いてある解釈をなぞるだけなら、AIで十分。『周易裏街道』で仁田丸久は「易経に書いてある卦辞や爻辞を告げるだけだったら占い師は必要ない。卦と爻の解釈のうち、どこを取り上げてどう語るか、一種の霊感のようなものを使う」といったことを書いています。その人の心に響くイメージが浮かぶかどうか、それこそ占い師の腕の見せどころです。
















