有名占い師、今注目の占い師の皆さんの生の声を聞きに行く「占いインタビュー」
占いの世界で様々な形で活躍している方々に、「どうして占いの道に?」「どうしてそういう仕事の形態に?」などの色々な質問をしていきます。

今回のインタビューは西洋占星術研究家の芳垣宗久(よしがきむねひさ)先生です。
西洋占星術を長年研究されており、鑑定はもちろん講座や占星術スクール主催などで幅広く大活躍中されている西洋占星術における第一人者のお一人でいらっしゃいます。

 

占いの道にどのように入っていったか、いつもどのように研究を深めているのかなどの様々な話を、ウラナイ8メンバーの深瀬まる先生と一緒に伺ってきました。全三回です。(夏瀬杏子)

 

芳垣宗久先生 プロフィール
ホロスコープを人間の創造力を引き出す思考ツールとしてとらえ、古典から近代のテクニックまで幅広く研究。個人相談や原稿執筆のほか、セミナー・講演等も積極的に行っている。占星術スクール「ヘルメス学園」主催。
著書に『女神からの愛のメッセージ小惑星占星術』(説話社)、『超開運 ダウジングでどんどん幸せになる本!』(芸文社)、 共著に『もっと深く知りたい!12星座占い』(説話社)がある。
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子供のころは凝り性?

あんこ
私は以前芳垣先生のインタビュー記事で、中学生の時に手相をやってウケたのがご自身の占いの最初というのを拝見しましたが・・・

芳垣先生
そうなんですよ。
よくオジサンが読むような雑誌に、「手相の見方」の付録が付いていたんです。
飲み屋で女の子の手相を見てモテる、みたいな特集だったんですよ。それを読んでこういう風に言えばいいんだなと思って、 次の日から学校で手相を見て適当なこと言ってみました。それがウケたんですね。
やっぱ皆見て見てって来るじゃないですか(笑) 行列ができちゃったりしました。

あんこ
子供の頃はどんなお子さんだったんですか?

芳垣先生
いや気持ち悪い子供だったと思います(笑)
凝り性で何かになりきる子供と言うか。

あんこ
なんとかレンジャーみたいなのですか?

芳垣先生

そうですね、なんとかレンジャーいうのは結構深刻な域まで行ってましたね。
 
高校1年生ぐらいまではああいうスーツアクターとかスタントマンになりたいと思っていました。
スーツアクターの人が話題になって表に出始めた時代で、テレビを見て「ああこういうスーツアクターっていう仕事があるんだ」と気づいて、それで中国拳法とか習いに行きました。

あんこ
本当に習いに行ったんですね!

芳垣先生
習いました。
やっぱりカンフーとかできないといけないんだろうと思って。たまたま、そこの師範代を務めていた人がジャパンアクションクラブの研究生でもあったんです。
 
ヤッターと思って、僕もドキドキしながら「スーツアクターになりたいんです」って言ったら、「じゃあショーに出る?」って言ってくれて、それで高1の時に練習したんですよ。マスクもつけて。

あんこ
実際にですか?

芳垣先生
そう。それで人が足りないから後楽園のショーに出ない?と言ってきたんです。 今だと高1をショーに誘う大学生ってまずいんですよ。

あんこ
怪我とか保険の問題がありますよね。

芳垣先生

そうなんです。プロレスラーとかスタントマンは一切保険に入れないから怪我をしたらおしまいなんです。
 
でも当時はそんなこと考えないで「やりますやります」って引き受けちゃったんです(笑)
そして練習で振り付けとかバク転はできるようになったんですが、本番直前になって 「そういえば芳垣君さ、飛び降り大丈夫?」って聞かれたんです。どのくらいの高さですかって尋ねたら「そうだねマンションの4階くらいかな」って言われました。
 
そんな高さ飛び降りたこともないし、当時自分の家が4階だったので下をみたら「ヒイー」となっちゃって(笑)
畳2畳分ぐらいのマットはあるけど、仲間5人で飛び降りたら端っこの自分は怪我をしちゃうし、実際前任者は腕を骨折したので無理だと判断して「すみませんやっぱり高い所は怖くてできません」って言ったらじゃあしょうがないなって言われました。

あんこ
まあ高校生に頼むことではないですよね。

芳垣先生
その時に、ああこの仕事は俺はできないんだなって思いましたね。

あんこ
でも占いにも凝ったということですよね。
占いに全く興味がない男の人も多い中で、どうしてそこで占いに興味を持ったのでしょうか。

芳垣先生

中学で手相の真似事をやったら人が並んでいい気分になっちゃったんですよ。
 
占いをすると人と仲良くなることってあるじゃないですか。喋ったことないような人が来て、割と身の上も話していって意外といい人なんだとか真面目な人なんだとかわかったりして。
 
先生や先輩とかも来たりして、ちょっとした人気者になって味をしめたって感じですね(笑)

あんこ
そこで「じゃあもう少し手相を知ってみるか」とかありました?

芳垣先生

いい加減なものでそこまでは思わなかったんですけど、タロットカードをくれた先輩がいたんですよ。
 
「これいらないからやるよ」って。それで説明書にケルト十字とか適当に書いてあるので、意味も何も全然わからないのに十字架に並べて「ん~~」とかやったら、もうみんな前のめりで真剣なんですよ。
その時は絵柄を見て浮かんだものを全部言ってたのですが、結構当たってたんですよ。あれは正しいやり方だったんですよ。

あんこ
ああ・・・そのタロットは普通のタロットだったんですか?

芳垣先生
ちょっとマンガチックだったような気がします。
 
当時タロット占いが流行っていたので何かの付録だったかも。そうしたら怖い先輩に目をつけられてしまいました。
ヤンキーがいっぱいいた学校だったから目立つといじめられたんですよ。友達が「先輩が剣道部の部室に来いって言ってる」というので来たなと思いました。
 
当時剣道部の部室が怖い先輩の溜まり場だったんですよ。どうせ逃げても捕まるので、放課後に剣道部の部室に行きましたが、中に怖い5人衆が座ってるんですよ。
ライターをカチカチさせたりして。

あんこ
それは怖いですよね。中学3年生って今思うと子供ですが・・・

芳垣先生
当時の感覚すると本当に大人みたいで。体もでかいしヤクザみたいな顔でしたし。
「すみません、何のご用でしょうか」と聞くと「おいお前、占いできるんだってな。ちょっとやれよ」って言われて。

あんこ
(爆笑)

芳垣先生
「ハイ」といってやりましたけど本当に汗びっしょりでした。
 
最初座った人がヨシトさんっていうわりと性格のいい人だったんですけど、手相で恋愛運を見てというので彼女のことを言ったら「すごい当たってる。俺、彼女呼んでくる」って出かけてしまいました。
 
次の人はご両親のことを何か言ったらすごい当たっていたようで、「 中学を卒業したら働いて親を助けようと思ってる」と言ってて、こんな人だったんだと思いましたね。

あんこ
すごいじゃないですか。

芳垣先生
それが助かった・・・と思ったら最後にラスボスみたいな人が奥にいたんですよ。
白いマスクして睨むような目つきでこちらを見てて本当に怖くて、「俺がこいつのインチキを暴く」とか言い出したんですよ。

まる
うわーー!

芳垣先生
奥から出てきたら身長も175センチぐらいあるすごく大きい人で、「何を占いましょうか」と恐る恐る言ったら 「俺は今までの人生で一回だけ引っ越しをしたことがある。それがいつだったか当てろ」って。意味わかんないでしょ。

あんこ
えー! そんなこと言われてもそれは占いで当てられるものか・・・

芳垣先生

そう、どうやって占ってもいいかもわからないし、霊能力がある訳じゃないし、とりあえず手相を拝見とか言って時間を稼いで、そしてタロットずっとぐるぐるぐるぐるかき回していました。
 
そこにいた皆が固唾を飲んで見守っている中で、口が動いたと言うか、言葉が出てきたんですけど、「幼稚園の年長さんの時の夏休みですよね」って。先輩が黙ってるから「当たったのかな?」と思ったら、本当にそうだったんですよ。
そしたら先輩が狼狽してしまって。
 
「なんでわかった」って言うから「占いです」と返したら、「お前は本物だ」って言ってくれました。

まる
わーー(拍手)

芳垣先生
追い詰められたからだと思います。
あとは5人くらい占った後で極限状態だったと思うんです。 もう朦朧としてくると言うか、早くこの場から逃げたいと言うか、本当に適当なこと言ったんですけどそれが当たってしまって。
 
その先輩が「今日から俺はお前のマネージャーだ」って言って。

あんこ
(爆笑) ありがたいようなありがたくないような話ですね。

芳垣先生

「これからは芳垣に占ってもらいたいなら俺を通さなきゃダメだって」言ってくれて、 一応ありがとうございますと言いました(笑)
 
それ以降は怖い先輩たちにいじめられなくなったんですよ。その5人の先輩たちが「おい占い師」って呼ぶようになって、見て欲しいという人を連れてきてくれたりして結局はなんだかんだ良くしてもらいました 。

あんこ
話を伺ってるとすごく社交的ですね。

芳垣先生
そうですね、お調子者ですよね。適当なこと言って切り抜けると言うか。
でもヤンキーの先輩って意外と怖くないんだなとか、優しい面があるんだとかわかったのでそれは大きな収穫でしたね。

あんこ
占いはそういう効能みたいなものがありますね。

芳垣先生
そうなんです。その時に占いって大きな武器なのかも?と思ったんです。
でもその時はすごいなと思うだけで仕事にするって発想はなかったですね。
高校に入ってもちょっとやってたんですよ。噂を聞いた人たちが休み時間に来たりしていたんです。

まる
その時も手相とタロットで?

芳垣先生
そう、 その頃にはだいぶタロットも板についてきたんです。 ヘキサグラムスプレッドとかも使うようになったりして。
 
カードの意味も何となくやっていると分かってくるし自分なりのメソッドみたいなも出来てきました。
タロットは意外とちゃんと勉強してこなかったですね。でも下手にいろいろ理論を学ぶよりも、絵柄を見てるとふわっとストーリーが浮かんできて、なるべく決めつけないようにしてこんなんじゃない?ってやってたりすると出来上がってくる。
 
高校生ぐらいころのタロットが一番良く当ったような気がします。

あんこ
では高校でも人気占い師?

芳垣先生
それが高2ぐらいの時に、人が来すぎてもう疲れちゃったんです。
休み時間がなくなちゃうのが嫌で、タロット忘れちゃったとか、適当なこと言って断ってましたね。

2回目は来週土曜日の予定です。
お楽しみに。

VOL.2はこちら→

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