先日の釧路への旅では、JR花咲線に乗って根室まで行ってみました。

日本最東端の駅、根室で地図を見ていたら「別海町」という地名。どこかで聞いたことがあると思ったら、木嶋佳苗の出身地。佐野眞一が彼女を描いたノンフィクションのタイトルは「別海から来た女」です。

 

ウラナイ8号室の算命学の会で女性犯罪者を取り上げたことがあり、木嶋佳苗がその一人でした。「頂き女子りりちゃん」の命式が私によく似ていると知ったのもこの会です。

 

婚活市場でまず重視されるのは、男性は年収、女性は容姿と言われますが、木嶋香苗があれほど多くの男性を虜にしたのには驚かされます。投獄後も魅力は色あせることなく、三度の獄中結婚! 夫は40代前半の週刊新潮のデスクというのでさらに驚きました。雑誌業界でデスクとは、記者を管理する副編集長。大手の出版社のデスクといえば相当のやり手です。

木嶋香苗の毒牙にかかったのは介護の必要な高齢男性というイメージがありましたが、犠牲者の一人は41歳の男性。千代田区の会社員と報じられていますが、地主の家系で給与所得の他にかなりの不動産収入があったそうです。

ここで結婚していれば何不自由ないセレブ主婦として生きていけたのに、どうして殺してしまったのでしょう。

 

釧路駅から花咲線に乗って釧路湿原を抜けて東に進むと見渡す限りの大地が広がります。海と山に囲まれた瀬戸内沿岸に育った私にとっては外国のような景色です。

別海町は東京23区の二倍以上の面積で人口は約一万人程度。そんなところに育ったら、猫の額のような都心の土地を持っている男なんてどうってことないのかも。もしその男や将来の姑が「北海道の田舎から来たあなたが、都心の地主と結婚できるなんて、ありがたいでしょう?」みたいな態度を見せて殺意を抱かれたのではないかと想像が広がりました。

 

景気の「気」は景色の「気」。松岡正剛によると風景とは「景気」の強いすぐれた場所のことだそうです。経済と同じように個人の人生にも風景は大きな影響を及ぼします。私は大地や山ではなく海のそばで育ったので、海原の先にある異国を常に夢見ていました。

生まれ育った地の風景の影響は一生続きますが、日々暮らす部屋の風景は自分で変えられます。「片付けられない女」の部屋は物にあふれ、住人は肥満体。欲望のままに買い漁った物が乱雑に置かれている環境で暮らしているうちに「部屋がこうなら私もこれでいいや」とダイエットを投げ出してしまうからです。

カレン・キングストン「風水整理術入門 ガラクタ捨てれば自分が見える」の一節。

もし人生に新たな進展があれば、本能的に家の中のいらないものを整理して心機一転をはかろうとするでしょう。それはごく自然なことだと感じるに違いありません。

身のまわりの整理整頓をすることは、人生の整理整頓を行うこと。

木嶋香苗と同じ時代に別海町に育った人が全員殺人鬼になったわけではありません。生まれ育った環境が似ていても、その後の人生は人それぞれ。春は格好の大掃除シーズン。長年捨てられなかった物のうちの一つ、捨ててみませんか。

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