今年で二年目となる夏至の夜の欲望の宴。インナーチャイルドカードを媒介にして、それぞれの欲望についての物語を語り合います。

欲望の塊である私は大忙しの一日でした。

まず午前11時から「離」夏至インナーチャイルドカード会。来月はいよいよ念願のコロンビア旅行で「離」陸するのですから、インナーチャイルドカードで成り行きを見なくては。ピーターパンで勇ましく旅立ち、クリスタルの8で『百年の孤独』で銃殺体の前に立ったアウレリャノ・ブエンディア大佐が父親のお供をして始めて見た氷、ハートの9で『コロナの時代の愛』の舞台のカルタヘナ、帰国後の姿はゴルディロックス。あまりにもぴったりした符号に、マジックリアリズムはどこでも息づいていると震えましたが、余韻を断ち切って東京大学文学部公開講座『百年の孤独』再読講座へ走りました。

 

やはり私は『百年の孤独』の舞台に行ってみるしかないという思いを胸に、再びウラナイ8号室へ。参加者の方それぞれの欲望のストーリーを聞いては茶々を入れる濃密な時間。雑誌のグラビアページで、メインの写真やイラストを元に決められたレイアウトに合わせて原稿を埋めていく仕事を長く続けてきたのですが、玉紀さんが編集者なら、私は読者からのお便りのようなもの。インナーチャイルドカードを正式に学んだことがないけれど、好き勝手な感想を口にします。とはいえ読者アンケートの結果によって次号の企画が左右されるのですから、無視できない存在です。

今日はとりあえず文字数を埋めて入稿した段階。この一年でどんどん書き直してください。初校、再校、再々校に赤を入れて来年の夏至には校了しているはずです。

 

参考までに、今年の私の欲望物語。

1枚目は、本当に欲しいもの。ガーディアン・エンジェル。

読んで、書く。商業ライターを長く続けていたため、読書と執筆は仕事の一環と位置付けてきましたが、リタイアしつつある今、自由に好きなように読み書きができます。「私の書いた本を読みなさい」という、あざらしさんの決め台詞が聞こえてきます。ガルシア=マルケスについてどんどん書きますから、ぜひ読んでください!

2枚目は、欲しいものを手に入れるための方法。黄色いレンガ道。

エメラルドシティに行かなきゃ話にならない。コロンビアはエメラルドの産出国。現実世界でコロンビアに行くためには財力も必要だからニューヨーク市場で財も集めたけれど、それだけでは不十分。ガルシア=マルケスは黄色が好きだけれど、黄金は嫌い。世俗的な富だけに惑わされないようにしなくては。

 

そして3枚目は、欲しいものを手に入れた後の姿。クリスタルのチャイルド。

座って川面を見つめるハックベリーフィン。第一印象では「欲望を実現させたのに尻すぼみ」という感想だったのですが、やはり3枚目はこうでなくちゃと思い至りました。旅の計画を立てるのはわくわくするし、実際に異国の地に降り立つと興奮しますが、楽しいのは帰ってから。思い出を反芻しながら自分の言葉にすることで、より深く旅を味わえます。

そんな話をすると参加者の方から「ハックベリーフィンの傍らにいる動物の意味は?」と問われました。改めてカードを見ると、ハックベリーフィンは一人ではなく鳥や蛙、魚などに囲まれています。文章を書くためのネタをもたらすもの。ネタ探しに一生を捧げた私にふさわしい姿です。

来年の夏至、さまざまな欲望の物語を聞くのを楽しみに、この一年を過ごしていきます。

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