おめでたいはずのお正月に終活の話なんてそぐわないのですが、「正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という一休禅師の言葉もあります。
新年を迎えるたびに、確実に死に近づいているわけですし、あと何年元気でお正月を祝えることやら。数年先ならイメージできますが、10年後は? 20年後は? そう考えるといてもたってもいられなくなり、終活を先延ばしできなくなりました。
NPO法人「りすシステム」の説明会参加まではハードルは低いのですが、その先は利用登録申込です。ここで申込金5万円を納付するのでもう後戻りはできません。
説明会では「生前事務や死後事務のこまごまとした取り決めをすべて完了するのは時間がかかるので、申込から契約まで何年かかってもいい」と言われました。
しかし、せっかく申込をしたのに、契約に至らないうちに死んでしまうことだってあり得ます。そんな間抜けなことになったら目も当てられません。それなら、終活なんてまったく考えずいきなり死んでしまったほうがましです。
というわけで山のような書類を揃えて次のステップに進みました。
「医療上の判断に関する事前意思表示書」は病名や余命の告知を受けたいか受けたくないかから始まり、延命や終末期、生命維持装置まで選択肢を選び、実印を押していきます。ここまで意思を明確にしておかないと、身内の保証人がいない患者を病院は引き受けてくれないのでしょう。
通夜、葬儀告別式については不要としました。宗教関係も一切頼みません。死亡が確認され死亡診断書が書かれたら、新木場にある遺体安置施設に搬送されます。この保証があれば病院やホスピスに入れるでしょう。
実家の墓が神戸にあり、私も奔走して田舎から移したのですが、結婚して家を出た形になっているのでそこに入る気はしません。四柱推命で日干が戊なので樹木葬が希望なのですが、まだ決めかねます。
「りすシステムでは大分に合同のお墓があります。いざという時はそこに入れますからご安心ください」と担当者。死ぬのが怖い、死んだらどうしようではなく、いつ死んでも大丈夫だなんて、終活はラジカルで潔い。おかげで、お正月もすっきりした気持ちで過ごしています。