質問したいことがあって税理士さんに連絡。お互いに簡単な近況報告を交わすのですが、息子さんが社会人となり家を出て夫婦二人きりの生活になったそうです。

この税理士さんと知り合ったのはコロナ前の2018年。税務調査が入り、一人で対応するのは無理だったので伝手を頼って紹介してもらったのです。私より10歳ぐらい年下の女性で、とても有能な人。その後「占いってどうやってお願いするものですか?」という連絡をもらいました。占いとは程遠い頭の切れる合理主義者のイメージがあったので意外でした。とにかく話を聞こうと食事をしました。

税理士さんの悩みは息子さんの大学進学。繊細な性格で、高校受験では第一志望に落ちてとても傷ついていた。大学受験でまた同じことが繰り返されたらどうしようか、不安でたまらないというのです。

そこで鏡リュウジ氏の話をすることに。

神社に合格祈願に行って、第一志望校に入れるように祈ったら祖母に「それではだめだ、第一志望校ではなく自分にとって一番ふさわしい学校に入れてくださいとお願いすべきだ」と言われたそうです。

こう話すだけで税理士さんの顔がぱっと明るくなりました。

「わかりました、どの大学でもいいんですね。占ってもらわなくても大丈夫です。これですっきりしました」

税理士さんは「鏡リュウジさんって誰ですか」というほど占いから程遠い人。仕事の腕は確かで、私の苦境を見事に救ってくれました。受験生の母としての指針を易で占っても、彼女の心には響かなかったかもしれません。ずっと数字を扱ってきた人は、偶然性で得られた答えに納得するのはむずかしいからです。

 

みんながみんな、占いが必要なわけではありません。スポーツクラブで知り合った友人も大手証券会社のキャリアウーマン。七夕占いイベントに誘ったことを後悔しました。この友人と税理士さんの共通点は、金融業界で働いているのにも関わらず、株をまったくやっていないこと。お金の行方を偶然にゆだねるのが好きではないので、占いも信じられないのでしょう。

 

占いを楽しむ人、不要な人が交差しているからこそ、この世は楽しいのです。

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