先月はタイのチェンマイへ行き、今月は沖縄に10日ほど滞在しています。
村上春樹によると「旅先で何もかもがうまくいったら、それは旅じゃない」。うまくいかないことを体験するために、わざわざお金を払って旅に出ているのです。
仕事からリタイア後の道楽なんですが、一応、今の仕事は相場師。といってもパソコンの画面を凝視続けるデイトレーダーではなく、ここぞというタイミングで個別株を買い込んでほったらかしておくスタイルです。
小賢しいことを考えずにインデックス投資しておくのが一番いいというアドバイスは大半の人に当てはまりますが、偏財が強すぎる私は投資信託なんてとても無理。自分のお金なのに、人を信じて託すなんてありえない。損をしてもいいから、自分の考えで好きな銘柄を買いたいのです。
そこで役立つのが旅の体験。見知らぬ土地でとまどったり、期待したようにいかなくてもこれも含めて旅なんだと思うようにします。相場も同じこと。すべての読みが当たるわけではなく下がってしまう銘柄もありますが、「投資で何もかも儲かってしまったら、それは投資ではない」と唱えたら含み損の銘柄も気にならなくなりました。
もちろん、これはすべての人に当てはまるわけではなく、旅行なんて嫌いで自宅が一番、わざわざ言葉の通じない海外なんて行きたくないという声もよく聞きます。日常を慈しみ丁寧な生活を続け、コツコツと積み立てる生き方が向いているのならそれに越したことはなく、無理して旅に出たり投資を始める必要はありません。
そうした型から外れているのなら、世間が提唱するスタイルなんて無視して大丈夫。相場の世界では、証券会社から資金を借りて株を買う信用買いという大胆な取引もありますが、さすがにリスクが大きすぎてそこまで手を出す気はありません。
元本割れは絶対に嫌だという人がいる一方で、手持ちの資金が少なくても大きな金額を動かしてどーんと利益を得ようとする人もいるから、世の中はおもしろい。要は自分を分析して最も適したスタイルを選べばいいわけで、人の真似をしてもうまくいきません。こう割り切って考えるようになれたのは、東洋占術を学んで自分の命式と向き合ったからこそです。