8月8日はタコの日。先週のこの日に行われたウラナイ8の配信イベントで杏子さんから「運はタコ足配線で」というキーワードが出てきました。
私の言葉に置き換えたら、「リスク分散」「卵は一つの籠に盛るな」という投資の鉄則。
誰とつながるかで運は大きく変わると杏子さんは強調していましたが、つながりが少ないとリスクが大きくなります。つながりの中で一人でも運の悪い人が出てくると一蓮托生になりますから。
そのためにも、タコ足配線で複数のつながりを持つべきですが、それを阻むのが血縁関係。杏子さんの呪われた一族の話は身につまされました。
というのも、私の父方の一族はここ数年で急激に暗転しているからです。
その原因は、小金を貯めて亡くなった子供のいない伯母二人の遺産を巡る骨肉の争い。お金がないのも苦しいけれど、あればあれでトラブルの種になりがち。金銭への執着が強いと、余計なものまで引き寄せます。
一族がいるのは瀬戸内海沿岸の中途半端な田舎町。高額所得者なのに「もらえるものはもらっとけ」と母親に生活保護を受給させていた某芸人の出身県です。
杏子語録その2「掃き溜めに鶴は存在しない」。運の悪い一族に、運のいい人はいないということです。
呪われた一族に関わっていると、私も呪われてしまう。しかし、父を看取るまでは完全に没交渉というわけにはいきません。
父からは「この家でまともなのはお前だけになった。葬儀を2つ出してくれ」と頼まれました。パーキンソン病を患った母は15年間の介護生活を経て一昨年亡くなりましたが、その間、月に一度のペースで東京と神戸を往復。パソコンがあればどこでも原稿が書けるといっても、締め切りが重なった時期は大変でした。
養子に出て一切介護に関わらなかった身内が法定通りの母の遺産を要求してきました。母は終活をまったくしておらず、遺言を残していませんでしたから、しかたがありません。父の遺産はそういうことがないように公正証書を作成し、甥と姪たちに渡るようにしました。私の取り分はゼロにするつもりでしたが、税金の関係もあり12分の1に。労せずして転がり込んでくる大金は厄も持ってくるので、そのくらいがちょうどいいでしょう。
幸いなことに、東京に住んでいて物理的な距離があるため、血縁との密な接触は避けられます。
しかし、強欲な血縁者は子どものいない私のお金の行方も気になるようです。「困ったことがあったらと何でも言って。すぐ東京に行ってあげるから」という声がけが介護版後妻業のようで背筋がぞくぞくしました。
終活の必要性をひしひしと感じて、昨年のうちにNPO法人と死後事務委任委託の契約を交わし、公正証書も作りました。これで血縁者に一切関わることなく死ねます。お金が余った時に寄付するところも決めました。これだけやっているのですから、どうか血縁の呪いから逃げられますように。