プロ野球選手は一般人の人生を凝縮して生きているかのようで、つい観察してしまいます。くじ引きで進路が決まり、それがテレビ中継されるなんて、どんな気持ちでしょうか。スポーツ選手が活躍できる時間はあまりにも短く、第二の人生をどう展開するのも大いに参考になります。

今年は、なんということか、阪神タイガースが絶好調。暗黒時代を知る者にとっては夢のような展開ですが、負けることに慣れ過ぎているため半信半疑。毎年この時期は、今期をあきらめて来期の構想に取りかかっていのに。

阪神ファンとしては「優勝は人生三度まで。それ以上望むのは強欲」というカルト宗教のような教えにどっぷりはまっているので、今世で優勝を見なくてもいいのです。

大いに貢献しているのがピッチャーの大竹耕太郎。こんないい選手をどう獲得したのかと不思議に思って調べて知ったのが現役ドラフトという制度。出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるための制度で、新入団のドラフトはテレビ中継されるのに対し、非公開で行われます。実力があっても球団の事情によって活躍の機会に恵まれない選手にとっては起死回生のチャンスでしょう。

ソフトバンクで芽が出なかった大竹はタイガースに見出されて大輪の花を咲かせています。

大竹の趣味は生け花とお香。花をどうやったら長持ちさせるか研究しているのは、野球選手としての寿命をいかに延ばすかにつながります。

そして現代人は目ばかり使っているので、目以外の五感を使うためのお香をたしなんでします。そういう時間があるから、野球で100%のスイッチを入れられるとか。タイガースの選手にはめずらしい繊細な知性派ですが、今後の活躍に大いに期待したいものです。

野球選手ほど派手な人生でなくても、ぱっとしない日々が続いたら場所を替えるのは効果的です。評価されないのなら、評価される場所に移りましょう。新しい場所で居心地が悪い思いをしたとしても、すべて流転するのがこの世の中。同じ場所にしがみつく必要はありません。

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