「置かれた場所で咲きなさい」という言葉には賛否両論があります。

うまくいかないのは場所がよくないからだと、たいした努力もせずに根無し草みたいになる人生は感心しませんし、かといって自分に合っていない場所で延々と努力しても報われず心身が病むこともあるでしょう。

同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の双子の姉妹が、養子にもらわれた家でそれぞれまったく異なる人生を歩んだ話も紹介しました。置かれた場所は人生を左右します。

 

さて、大谷翔平が日本で最初に入団したのが日本ハムでなかったら、彼はメジャーリーグで大成できたでしょうか。

そんなことを考えるのも、阪神タイガースファンにとって大谷といえば、藤浪晋太郎が連想されるからです。二人は同い年で甲子園での対戦経験もあります。

プロ入り時の評価は藤浪のほうが上。2012年のドラフトでは、大谷はメジャー行きを宣言していましたが日本ハムが強行指名し、藤浪は4球団競合で阪神が当たりくじをひきました。

藤浪も阪神入団後3年は調子がよかったのです。ところが4年目あたりから制球難に苦しみ勝てなくなってきました。

復活をかけて迎えた2020年にはコロナ感染。その原因が合コンと報じられ、阪神ファンはがっくりと肩を落としたのでした。

関西では阪神の選手は超セレブ。お金持ちが後援会を立ち上げ、タニマチとして飲みに連れて行きます。女性が同席して合コンになることも多いのでしょう。自分を律することができる選手なら多少の息抜きはかまいませんが、ちやほやされてだめになっていく選手も多いと聞きます。

そして期待していた選手が結果を出せなかったとき、阪神ファンの野次はきつい。愛が大きければ憎しみも大きいのです。きつい言葉でメンタルが傷つく選手も多く、藤浪が大成できなかったのは阪神の体質が悪かったのではないかという声もありました。

 

その藤浪が今年からアスレチックスへ。メジャーのスカウトは「大谷と並ぶ逸材」と大いに期待したのでしょう。年棒4億以上という破格の待遇です。

阪神ファンとして、なじみの選手だから応援したい気持ちはあるものの、もし大活躍したら球団の恥部が露呈するので複雑な心境でした。

結果は、制球難はあいかわらずでボコボコ打たれています。突如としてコントロールが定まらなくなる悪い癖は阪神ファンには見慣れた光景ですが、契約したアスレチックス幹部の心中はいかに。置かれた場所も重要だけど、やはり本人次第という結果になっています。ついに先発から外され中継ぎに降格されたようですが、シーズンはまだ続くので、奮起を期待したいところです。

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