本名とは別の名前で交流すれば、人生が広がって楽しくなるという話。
こう考えるようになったのは、植島啓司『生きるチカラ』でインドネシアのバリ島について読んだ影響もあります。バリ島の人々のほとんどが、一日の中で複数の顔を持って暮らしているそうです。
農作業は午前中だけ。午後は昼寝するか賭け事。夜の祭りの時間になると、お坊さんやガムラン奏者、ダンサーに。何かうまくいかないことがあっても、別のどれかがうまくいけば大丈夫。そんな暮らしを続けていれば、ささいなことで悩む必要もなくなります。
先月の阿佐ヶ谷七夕ウラナイまつりでは、地元のスポーツクラブのダンス仲間がけっこう来てくれました。私にとっては占い関連同様に同じスタジオで踊る仲間も大切な存在です。占い界隈では「翡翠輝子」を名乗っていますが、スポーツクラブの顔なじみには名前を知らない人もいます。コロナ以前はスポーツクラブ関連で飲みに行ったりお茶をすることもありましたが、スタジオで顔を合わせて挨拶し、ちょっとした世間話をする程度。メインの活動はダンスであり、名前を呼ぶ必要がないのです。
占いに興味がありそうな人にだけ、イベントのチラシを渡しました。その際「私は占わないから」と宣言しました。もし深刻な話を聞いたら、いつも楽しい時間だけを共有している関係が壊れるかもしれないからです。
誰でも気楽に踊れるズンバから、優雅で情熱的なラテンダンス、キレとノリが求められるヒップホップと、クラスによって雰囲気は異なります。最も難易度の高いヒップホップは少人数で熱心なダンス愛好家ばかり。昨年「スペインに行くから7週間休むけれど、ヒップホップをやめるわけじゃないから」と告げると、「フラメンコを習いに行くの?」と聞かれました。こういうつながりがあるから、毎日に変化があります。いずれ踊れなくなる日が来るだろうから、何の仲間を作ろうか、思案中です。
そして、10月25日と26日に開催される阿佐ヶ谷JAZZ占いストリートでは、普段は占いとはちっとも関係ないような真っ当なお仕事に就いている方が、占い師としての顔でメッセージを発信します。新たな顔を持つためのヒントが得られるかもしれません。