運は人間関係がもたらします。どんなに開運術を実践しても、ひきこもっていては上がるのは健康運だけ。

ウラナイ8が誕生したのは昨年の夏ですが、最初に玉紀さんから話を聞いたとき、「占い」をキーワードにしたゆるいつながりができるとおもしろいと思いました。

ここ数年、「ウィーク・タイズ(弱い絆)理論」をよく耳にします。アメリカの社会学者が発表したものです。家族や親友といった強いつながりよりも、適度に顔を合わせる程度のゆるい人間関係をたくさん持つほうが、多くの有益な情報がもたらされるという理論です。

ウィーク・タイズ理論が発表されたのは1973年とちょっと古いのですが、SNSでゆるく広くつながれるようになり、再び注目を集めているのです。

ジャーナリストの佐々木俊尚氏が『自分でつくるセーフティネット:生存戦略としてのIT入門』『広く弱くつながって生きる』といった著書で、ゆるいつながりの効用を説いています。

ゆるく広いつながりの対極にあるのが、強く狭いつながり。昔の村社会、あるいは終身雇用の流動性のない会社みたいなもので、すんなり収まっていれば一生安泰ですが、少しでもはみだすと悲惨です。同調圧力に逆らえず、内心で嫌がっていても周囲と同じ行動を取り続けるのに耐えられない人も多いでしょう。

がちがちの強い絆ではなく、ゆるく広くつながっていきたい。そして、歳を取ると若者からは敬遠されがちですが、年齢差を気にしないフラットな関係があれば、老後も退屈しなくてすむかも。

そんなことを考えていたので、玉紀さんからの提案は渡りに船でした。

『自分でつくるセーフティネット』にはこんなふうに書かれています。

弱いつながりのほうが、ずっと新鮮な情報が流れやすい。そりゃそうです、だって、弱いつながりってことは、相手と自分の共通点が少ないってことだから、自分の知らない情報を相手が持っている可能性はとても大きい。

たとえば、転職や独立を考えている時、新しい仕事についての情報は弱いつながりから流れてくることが多いそうです。

占い業界はとかく閉鎖的になりがちで、同業者への批判もちょくちょく耳にします。ウラナイ8は、そういう面倒くさいつながりとはちょっと距離を置いたゆるいつながりでありたいと願っています。

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