コロナの不安を吹き飛ばしたロシアのウクライナ侵攻。

「プーチンが歴史的敗北に向かって進んでいるように見える」というクーリエ・ジャポンの記事を興味深く読みました。

https://web.kawade.co.jp/bungei/34777/

「国というものは、物語の上に築かれるものだ」というサブタイトルで、現在進行中のウクライナ人の物語は数世代後にも語り継がれると予言しています。

首都から逃げず、国民とともに戦い続けている大統領を始め、道路に座り込んでロシアの戦車を止めた民間人、公園で火炎瓶を作る女性たち。こうした物語の数々がウクライナという国を作り上げていくとあります。

著者はイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ。なるほど、イスラエルという国も壮大な物語によって建国されました。

現在進行中のウクライナの物語を耳にすると、歴史の生き証人になった気がしますが、戦地から遠く離れた安全な場所にいるから、そんなのんきなことが言えるのかも。生命の危機に瀕しているウクライナの人々は壮大な物語の登場人物になるよりも、平凡な一市民としての生涯を望んでいるでしょう。

 

占い師はストーリーテラーでもあります。ホロスコープや命式、九星盤、あるいはカードや卦から物語を作り上げるから。

でも、現実の人生は映画や小説にようにはいきません。ロマンチックな恋愛物語の始まりを期待しても、相手にその気がなければそれだけです。自分の描いたストーリーに沿って動く相手を恨むのは筋違いだし、世の中にはオチのない話がいっぱいあります。

なんでもかんでも物語仕立てにしようとせず、淡々と流すことも必要。物語はたまにしか成立しないから、おもしろく味わい深いのです。そして、自分の物語のオチは自分でつける覚悟を。どんなにしょぼい私小説でも自分の思惑で完結できるなら、そこにおもしろさがあります。

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