来年の秋にスペインの巡礼の道を歩きたい。漠然と思っているだけでは、実現しそうもないのでとりあえず1年後という目標を立てました。

https://bob0524.hatenablog.com/entry/2022/09/16/102950

先日、杏子さんの易の会で「来年の秋に巡礼に行けるか」で占いました。

自分で出したのは、地天泰の五爻。

小往き大来たる。吉にして亨(とお)る。天地が交わり、陰陽の気が通じる。スペインの空と大地を感じて歩き続ける自分の姿が目に浮かびました。

「帝王が有力な家臣に妹を嫁がせる」という五爻の爻辞はピンときませんでしたが、次の上爻は「城が崩れて土にかえる」。この爻辞を見るたびにボブ・ディランの「ミスター・タンブリンマン」の"evening's empire has returned into sand"、宵の帝国が(朝になって)砂にかえるという一節を思い出します。

長患いを失って地天泰が出たら、肉体(天)の上に土があり、墓に眠るということだという占例を習ったことがありましたが、私の一生を地天泰に置き換えると、今は五爻のあたり。このまま進んで土にかえる前の大イベントがスペイン巡礼なのでしょう。老いや死を受け入れるための準備だと考えているし。

 

ゆきのさんが出したのは山地剥の四爻。山がどんどん崩れていき、家の寝台も剥落し皮膚まで剥がれ落ちようとする。ふつうには凶ですが「巡礼ならいいのでは。余計な物をなくし最小限の装備で歩くから。それに山地剥は、遠いところにある門や山に向かって歩いていく形」と、ゆきのさん。

巡礼者用の宿は野戦病院みたいにベッドが並び、シャワーは共用。到着別にベッドが割り振られ男女別ですらありません。ベッドといっても台だけですから、寝袋必須。朝8時には追い出され、連泊は禁止。夜明け前の暗がりの中で荷物をまとめ、無心に歩いて疲れ果てて横たわる。まさに山地剥の日々です。

 

そして杏子さんが出したのは雷沢帰妹の二爻。これも一般的にはあまり吉ではないのですが、「質素な装備で欲を持たずにひたすら歩くのには向いている」と杏子さん。この時代に徒歩で800キロを歩こうという酔狂な人間にはぴったりです。

そして雷沢帰妹は秋の雷。スペインの夏の日差しは強烈ですから、秋に出発しようと考えています。春も歩きやすいそうですが、人生の終盤を噛みしめながら歩くなら、日ごとに太陽の力が弱まっていく秋が最もふさわしい季節です。

 

月に3回、易の会があるので身近なことを占う場合が多いのですが、一生に一度の大イベントで卦を立てれば、占者それぞれの通路を介して易の神様が答えてくれます。山地剥の心細さ、雷沢帰妹のタイミングの悪さといった困難はあっても、そうしたものすべてを含めての巡礼だと教えてもらいました。

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