占いに興味があるなら、石も好きという人も多いはず。
映画『パラサイト 半地下の家族』では、貧乏家族の長男の友人が富と幸運をもたらすという石を持ってきます。
ポン・ジュノ監督のインタビューによると、韓国では石を収集するのは昔ふうの趣味で、映画に登場するような石は非常に高価だそうです。長男の友人は石とともに、家庭教師の口も紹介してくれました。ここからすべてが始まります。
結果的に、あの家族にあの石は大きすぎたのです。長男だけの幸運でなく家族全員で大きな幸運を求め、その過程で非道な行為に手を染めざるを得なくなります。
占いを学んでいた頃、「運気の器」という言葉をよく聞きました。
開運術をあれこれ試しても、普通の運動神経の持ち主がプロのスポーツ選手になる可能性はありません。金運を上げたところで、その人の器に合った金額しか手に入りません。万一、宝くじに当たって大金を得たとしても、扱いきれずにかえって不幸な結果になるのです。
占いの勉強のために「どの会社の株が上がるか」「どの馬が勝つか」を占ったりしますが、机上の実験としてなら当てられるのに、実際にお金を賭けるとはずれるのは、その人の金運の器が小さいから。
夢のない話ですが『パラサイト 半地下の家族』を観て、ますますこの思いを強くしました。
ただ、運気の器をある程度までは広げることはできると思います。易経の坤卦には「積善の家には必ず余慶あり」とあります。すべてのことは積み重ねによって起こるのですから、善を積んでいけば福がもたらされます。
私の場合は、人のためにお金を使うのを厭わなくなってから金運が確実に上がりました。もっとも住宅ローンの返済に追われていた頃は、決してできなかったことであり、だからあの頃は貧乏だったのかと反省しています。