毎週土曜日のラテンダンスのレッスン。その前にズンバがあり、続けて出るとさすがに疲れるので、最近は休むことが多くなっていました。

ラテンダンスの先生が9月一杯で辞めると聞き、最終レッスンには出ました。先生の挨拶によると18年続いたレッスンです。先生が主催するダンス教室の発表会も観に行き、コロナ前は先生を囲む飲み会もありました。先生は私と同い年(誕生日が60日違いで日干が戊午)ですが、完璧な体型を保ちダンスにキレがあり、いつまでもレッスンが続く気がして「今日は疲れたから」と休んでいたのを反省。

まるでアルフォンソ・ドーデの「最後の授業」のようだと感じました。

普仏戦争でフランスが負けたため、国境地域にあるアルザスはドイツ領になり村の学校ではドイツ語しか教えてはいけないことになり、先生はフランス語で最後の授業をします。学校嫌いのフランツ少年はショックを受け学校をさぼってばかりいた自分を恥じるという話です。

小学校の国語の教科書に出ていた話で、「勉強したいと思ってもできなくなることがあるかもしれないから、ちゃんと勉強しましょう」という教訓を聞かされました。

ところが、アルザスは元々ドイツ語圏であり、フランス語は学校で学ぶ言葉でしかなかったというのが真相。フランス人ドーデが政治的意図を持って書いた小説だったことから、日本の教科書からも消えました。

「背景を切り取った物語を鵜呑みにしてはいけない」という教訓が得られますが、物語から何を得るかは人それぞれ。私の場合はラテンダンスを踊ることはなくなりましたが、ラテンダンスのレッスンを求めて他のクラブに遠征する人もいるでしょう。

 

NHKの朝ドラ連続テレビ小説「ばけばけ」では、没落士族となった父がウサギ商売を始めて莫大な借金を背負いました。今の時代だったら、AIに仕事を奪われたホワイトカラーが仮想通貨に手を出すようなものでしょうか。「時代が変われば必要とされる仕事も変わる」「あやしい儲け話に気を付けろ」といった教訓が得られますが、その人の置かれた状況や向き不向きによって解釈は異なります。

物語を素材としたインナーチャイルドカードも、引いた人によって受け取るメッセージは千差万別です。テキストに書かれてある通りの紋切り型の解釈だけで片付けるのなら、カードを引く意味はありません。

 

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事