ゆみこさんのお正月特別配信『牛神降臨!?』で射手座の2022年は「沼落ち運アップ」だと知りました。

思い起こせば、これまでの人生で何度、沼に落ちたことか。若い人にとっては想像できないような沼ですが、ネットのない時代、田舎の中高生にとってはしっかり沼でした。

最初の沼はボブ・ディラン。教科書で学ぶ英語に興味が持てず、記憶力に乏しい私は英語が苦手でした。でも、ディランの曲により、英語がコミュニケーションの道具なんだと実感できました。町に一軒しかないレコードショップにあったボブ・ディラン来日記念の3枚組LP(!)。高校生にとってかなりの金額でしたが「これを買わなくては、私の人生は変わらない」という思いに突き動かされて購入。菅野ヘッケル氏による日本だけの特別編集版で、プロテストソング、ラブソングなどジャンル別に曲が分けられて英語の歌詞に日本語訳がつけられた格好の英語教科書でした。そしてボブ・ディランに続きカナダのザ・バンドの沼にもはまりました。

次の沼はアイルランドのU2。ディランもザ・バンドも世代的に一つ上ですが、U2のボノは私と同世代。会社を辞めてアイルランドを3カ月放浪することになりました。

アイルランドに行ったことでフリーランスのライターとしてやっていけるようになり、25年ぐらいはおとなしく暮らしていました。そこに再び沼からの触手が伸びてきます。

フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の映画を次々と観るようになり、レニングラード・カウボーイズのメインボーカル、ヨレ・マルヤランタの声に魅了されてしまったのです。

フィンランドとつながりたい一心でフィンランド語講座に通い、フィンランド関係の本を読みまくりました。「フィンランド人はとてもシャイで、留学して1年半たってようやく友人ができた」という一節を読み、私にはそんな時間がない!と動揺しました。

そこで外国人旅行者を自宅でホストするカウチサーフィンを始めることに。どんなにシャイなフィンランド人でも強制的に友達になれるだろうという下心からです。コロナが収まらないことには再開できないのですが、カウチサーフィンでフィンランドの友人が一気にできました。そして、欧米の富裕層の子弟をターゲットとする語学学校から声がかかり、外国人留学生のホストファミリーに。日本語教育に興味を持ち資格を取得し、帰国子女レベルの英語力がないとむずかしいと言われた日本語学校にもホストファミリー経験者というコネを最大限に活用して忍び込みました。

沼に落ちたからこそ、こんなにおもしろくなった人生。沼落ち運が高まる今年、新たな沼に落ちることをわくわくしながら待っています。

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