去年の暮れの母の死をきっかけに、自分の終活を考えるようになりました。

というのも、死後の事務手続き一切がとんでもなく煩雑だったから。父は肺炎で入院中、頼りにしていた兄は病気療養中。兄の奥さんもご実家のお父様が入院中で、雑用を頼む気になれませんでした。

無理な延命をせず介護施設での看取りをお願いするのと同時に、近所の葬儀社のリストを渡されていました。施設も病院も、息を引き取ったらできるだけ時間を置かずに遺体を搬出してほしいようです。大きな病院なら提携している葬儀社があるでしょうが、それはそれでトラブルの元となったという話も聞きます。気が動転している遺族は葬儀社に提案されるままに高額な葬儀プランを選んでしまうことが多いからです。亡くなってから葬儀社を探すのではなく、あらかじめ決めておくべき。「まだ死んでないのに…」といった余計な感傷は封印して、葬儀社を決めました。

 

身元保証人がないと病院や施設に入れません。死後、引き取り手がいないと、病院や施設はとても困りますし、順番待ちの人がいれば一日でも早く部屋を開けて次の人を入れたいでしょう。

私の友人の一人が命に係わる深刻な手術を受けることとなり、入院しました。彼女は私と同じく、結婚していますが子供がいません。今のところは夫が身元保証人になりますが、夫に先立たれたらどうなるのか。「身寄りがいない人はどうするんですか」と病院で質問したところ、「今のところそういう人はいませんでしたが、そうですね、これからそんな人が増えてくるかも…」とあいまいな答え。地方の病院ですから、血縁や地縁がしっかりしていて、配偶者や子供がいなくても甥や姪、あるいは近所の人などが保証人になってくれるのでしょう。

東京暮らしではそんな濃密な関係の人はいません。甥と姪がいますが、それぞれの暮らしに忙しいだろうし、高齢の叔母の身元保証人になって葬儀や死後の事務手続き一切を取り仕切るなんて勘弁してほしいというのが本音ではないでしょうか。

そして、死ぬ前に認知症になってしまったら…。今や高齢者の4人に1人が認知症とその予備軍と言われています。

上野千鶴子は任意後見と身上監護、死後事務委任を三点セットと呼び、遺言書を弁護士に預けてあるそうです。弁護士や司法書士に頼む方法もありますが、自分のほうが弁護士や司法書士より長生きしてしまったらどうなるのか。また一から新しい人を探す気力が残されているのか不安です。そこで私は、個人事務所ではなく法人で生前契約できるところを探すことにしました。

ネットで検索すると「りすシステム」「きずなの会」などが大手のよう。利用者の口コミはあまりありません。今、利用している高齢者世代はネットに投稿する人が少ないからかも。かつては「日本ライフ協会」が預託金の流用で運営が行き詰まるという事態もありました。料金の安さだけに釣られるとリスクがありそう。まずは資料請求をしてみました。

終活が必要だと頭でわかっていても、「この元気な私がそんなにすぐ死ぬわけないじゃない」という気持ちもあり、のろのろと進行しています。次回は実際に説明会に行った体験記を書く予定です。

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