10月25日と26日は阿佐ヶ谷JAZZ占いストリート。8月の七夕イベントに続き、占いを通じてさまざまな化学反応が起こることを期待しています。

今回は占われる客として楽しませてもらいますが、私もイベントで占った経験があります。初対面のお客様を10分程度で占うとなると、活躍するのは卜術(ぼくじゅつ)。易は一般の方々になじみがうすいので、もっぱらタロットを使っていました。

私のタロットの師は伊泉龍一先生。まるまる1年の講座がほとんど1枚引きの解説と練習でした。問題が複雑で、過去の因縁や未来への流れが知りたいならあと1、2枚引いてもいいけれど、1枚のカードにすべての答えがあるというのが伊泉先生の教えでした。

たとえば、読みにくいカードのひとつとされる「世界」。

「与えられた運命を成就する」という最強のカード。タロットがゲームに使われていた時代は、「世界」のカードは最強の切り札でした。運命の女神が微笑み、どんな状況であっても、その瞬間にできる最大限のことができるという肯定感。自分の力だけでは成し遂げられないことが達成されます。

 

受講者からの質問。

嵐の櫻井君が好きなんですが、今後、私と櫻井君はどうなるのでしょうか?」というお客さんに対して「世界」のカードが出たらどういえばいい? 「信じられないような偶然が重なって、あなたと櫻井君は結ばれます」なんてことは言えないですよね?

質問者はすでにプロの占い師であり、そうした質問をよく受けているようでした。

伊泉先生の解説。
そういう夢見がちな人が来たとしても、「世界」のカードが出たということは、「櫻井君が好きだということがすばらしい、最高の状態」という意味。質問によってカードの意味を変えてはいけない。
「だったら、櫻井君と結婚できるのか?」と聞かれたら、「結婚するかどうかまでは、カードは伝えていないし、そんな先のことは考える必要はない。とにかく今、この瞬間、あなたが櫻井くんを好きだという状況は最高」と答えればいい。

 

これが「メタ認知」というものでしょうか。櫻井君のことだけで頭がいっぱいになっている人に対し、メタ(高次の)認知を示す。大スターとファンという関係の枠組みの中で、どのようなあり方が最高なのかを考えるきっかけを与えるのです。

 

七夕祭りやJAZZストリートのようなイベントでは、占いを受けるのはまったく初めてというお客さんもやって来ます。占いに慣れていない人だからこそ、その人の置かれた状況から少し上昇した視点からのメッセージを伝えるだけで、目から鱗が落ちるような体験になることがあります。きっかけとなるのは、1枚のカード、1つの卦、1本の手相の線、水晶に浮かぶイメージの片鱗など。ペンデュラムなら、まさに「スウィング」です。常連のお客様との濃密な鑑定も占いの醍醐味の一つですが、イベントならではのこうしたセッションも楽しんでみてください。小さなライブハウスでリクエストに応えて即興で演奏するミュージシャンのように。

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