占い鑑定を始めた頃、最も違和感があったのは「先生」と呼ばれることでした。

「先生と言われるほどの馬鹿でなし」という言葉があります。先生と言われて気分をよくするほど軽薄ではないという意味です。

昔、よく取材していた小野十傳先生が師匠の言葉としてこんな言葉を紹介しています。

「占い師は下から三番目の仕事」。
最低な職業は泥棒。人のものを盗んでお金を得るから。
次は乞食。座って人からお金を恵まれるから。
占い師はデタラメをしゃべってお金をもらうから、三番目に最悪な職業。

デタラメというのは言い過ぎで、ちゃんと占術理論を勉強していると反論したくなりますが、占い師はそれほど自慢できる職業じゃありません。学校の教師や医師、弁護士のように試験に合格して資格を得ているわけではありません。代議士にしても、一応は選挙に当選して「先生」になるのですから。作家は「先生」と呼ばれますが、蔑称として「センセイ」とカタカナ表記されることもあります。

占い師は鑑定の場に立てばそれだけで「先生」と呼ばれます。業界の慣習ですが、「先生」と呼ばれることの違和感を忘れてはいけないと思います。

「鑑定してアドバイスしたのに従わなかった」と憤る占い師がいますが、それはお客さんの自由。教師だって、いくら勉強しろと言っても学生にやる気がなければそれまでです。「自分の占術理論だけ正しくて、他の占い師はまがいもの」というのも、どうかと思います。占いの結果が正しいかどうかは、タイムマシンがない限り実証できませんから。

卑下する必要もありませんが、声高に押し付けるものでもない。建て前だけでは割り切れない部分を請け負い、時と場合によっては必要とされる仕事と考えるぐらいがちょうどいいのではないでしょうか。

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