寅年だというのに、阪神タイガースは開幕からいきなり9連敗。セリーグの最下位を走り続けています。

どうも矢野監督がスピリチュアルにハマっているという噂。沖縄のキャンプイン前に今季限りの退任を発表し、予祝(よしゅく)を行ったとか。予祝とは、夢の実現を前もって祝い、現実化するという呪術。あやしさ満載ですが、農耕行事の一つとして行われている地域もあるそうです。

沖縄キャンプでは優勝をイメージして矢野監督の「予祝胴上げ」も行われたそうです。しかし、いざ開幕すると負けが続き、選手たちは不安や不信感にとらわれてしまったのでは。「こうでなければいけない」という思い込みが強いと、そうならなかった時は「こうだめだ」と落ち込んだり、自暴自棄になりがちです。

そして胴上げと聞いて連想するのが、カーネル・サンダースの呪い。

1985年に21年ぶりのセリーグ優勝に驚喜した阪神ファンが、道頓堀KFC店頭のカーネル・サンダースの像を「バースや!」と胴上げ。ランディ・バースは「神様、仏様、バース様」と崇められるほど優勝に大きく貢献したアメリカ人選手です。そして、カーネル・サンダースの像は勢い余って道頓堀川に。タイガースは翌年から低迷が続き、再び優勝できたのは2003年でした。

阪神タイガースのファンであることは、一種の宗教のようなもの。負けが続いても信仰を捨てるどころか、信心が試される時だとばかり、観客動員数は球界トップです。2022年は異端の教えにより低迷した受難の年としてファンには記憶されるでしょう。

 

出世したい、お金持ちになりたい、良縁を得たい…と人それぞれ夢があるでしょうが、四六時中そのことばかり考えると疲れます。「こうなりたい」と一瞬念じたら、後は目の前のやるべきことに集中して淡々と生きていくほうがいいような気がします。

アラン・コーエンはアメリカのスピリチュアル業界の人ですが、わりと常識的なことを言っています。

手紙を送るときには、宛先にきちんと届くようにする必要があります。しかし郵便ポストに入れたあとは、郵便配達人がその手紙を回収し、いくつかの局を経て手紙が相手に届くまでを見届けようとしたりはしないでしょう。手紙を投函したら、あとは郵便局を信頼するしかありません。郵便局員に張り付いていても、彼らをいらだたせ、自分はエネルギーを消費するだけです。『深呼吸の時間』(宝島社)

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