佐藤優氏の『メンタルの強化書』。老後への戒めとして読みました。

https://bob0524.hatenablog.com/entry/2021/11/09/111306

具体的なアドバイスとしては、きわめて真っ当なことが書かれています。これをやれば簡単にメンタルが強化できるなんて安直な方法はないのでしょう。

仕事は優先順位をつけて、重要度と緊急度が高いものこなして、職場で生き残る。「明日できることは今日しない」ぐらいの心構えでちょうどいいとあります。仕事だけでなく人生全般、この姿勢でいいのかも。頑張りすぎるとメンタルを病んで元も子もなくなりますから。

優先順位をつけるのがむずかしかったり、やる気が出ない時は、身の回りの整理を。必要以上にきれいにしようとせず、何がどこにあるかおおよその検討がつくぐらいで構いません。テレビ朝日の『ウチ断捨離しました』には秩序も何もなく物を詰め込んだ家がよく出ますが、ああした状態では、何が重要あるいか緊急も判断できなくなるでしょう。

身の周りの環境を整理することで、作業の効率が高まるとともに、自分の頭の中も整理されスッキリします。

精神が不安定だとか、やる気が起きないという人は、まず机周りや部屋など、身の周りの整理整頓から始めてみることをお勧めします。

それも一気にやろうとか、徹底してやろうとしないことです。そうすると負担に感じてしまいます。中にはそのプレッシャーから整理できないという人もいます。

 

東京拘置所に512日間勾留されていた人の言葉ですから、説得力があります。拘置所で安定した精神を保てたのは、部屋が散らかりようがなく、神学を学んできた佐藤氏はパソコンや参考書籍がなくても、一人静かに思考を深めることができたのでしょう。

机の上に仕事の資料や読みかけの本、税金関係の書類などが散乱していると「締め切りに間に合うだろうか」「返却日までに読めるだろうか」「そろそろ経費をまとめないと」など気持ちはさんざんに乱れ、そのプレッシャーからゲームに手を出したりビール缶を開けたりするのです。この本のタイトルは『メンタルの強化書』ですが、メンタルの状態は身の周りの状況に大きく左右されます。そして、うまく生きている人はメンタルの強さではなく仕組みや習慣をうまく活用しています。

そろそろ年末の大掃除シーズン。今年こそしっかりやろうというプレッシャーが強すぎると、投げ出したくなるもの。とりあえず日常的に目にする空間だけ少し片づけようぐらいの心持で。「今年もまたやり残した」という苦い思いで迎える新年はちっともおめでたくありません。デスクやテーブルの上を片付けるだけでも、開運への第一歩となります。

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