16歳になる年、高校1年になる直前の春休みに、一気に自分の運が下がったと感じた。わたしは、タロット占いは好きで小学生の頃から夢中になってやってただけで、ムズカシイ命術の仕組みは知る由もなかったけど。
中高一貫校だったから、周りのメンバーも環境もたいしてかわらない。中学生のあいだはとにかく好き勝手に適当にうまいことやっていて楽しかったのに、突然になにもかもがうまくいかなくなった。最悪である。最悪最悪。
理由はない。私は何も変わらなかったけど、とにかくなにもかもがダメになった。大学生になったらさらにダメで、ついに難病で動けなくなり「いっそ死にたくても死ににも行けないなんて最低だろ」と毎日毎日世界を呪っていた。
何年か後に奇跡的に治ったので「これからは天からもらった儲けものの人生とおもって生きます」と、これは心底そう思って、25歳のときには「ババアになっても一生ひとりで大丈夫な技術を10年後までに身につける」と公言するようになって、周りはみんな呆れていた。
なーんていう人が、いまわたしの目の前に現れたなら「ああーーー。そうでしたかー。ずいぶんいろいろたいへんだったでしょう?よく頑張ってここまでリカバリーして来ましたね」と、わたしは労うだろう。
まぁわたしは、誰にも労われていませんけどね。ははは。自分を自分で労うのだ。人生自給自足。人生自家発電。
わたしが占いを学んだ最大のメリットは、いまさら考えてもどうしようもない過去を「ぜんぶ星のせい」に丸投げして悩まなくなったこと。「ぜんぶ妖怪のせい」みたいに、人智を超えたなにかがあるとして。
とにかく、誰にも命令されたくなかった。どこかで「個人開業に向いているのは、孤独に強い人」という文言をみて「もしかして、自分は適性あるんじゃないか」とおもった。「誰にも命令されたくない」これはいまもおなじ。
それなのに、誰にも命令されない立場に晴れてなったとき、ひとりでなにもできなかった。誰にも命令されないとはつまり、ぜんぶ自分の責任だと改めて知った。誰にも命令されない代わりに、誰も近しい味方はいない。
わたしはそもそも治療家。占い師になったのはそのあとだいぶ経ってから。
治療院を開業して、いきなり友達でも知り合いでもない、まったく初めての方の予約が入った。予約時間の直前には、あまりにも緊張しすぎて、バスタオルに顔を埋めて「うわああああああーーーー!」っと、大声で叫んだ。どうかしとる。狂っとる。実際にはなにごともなく和やかに終了したけど、そのあと超絶激しく凹んだ。あんなにイキがっていたのに、誰にも命令されないで任務を遂行できるまで、まだまだ自分の能力は全然足りていなかった。ダサい。超絶ダサい。妄想勇者はいきなり爆死。しぬる。
でもいろんな業種の個人事業主の先輩たちは、みんな親切だった。祝ってくれて、励ましてくれた。
「ご新規さまキャンペーンをしたら?」「プロフィール写真をしっかり撮って」「もっとキャッチーに」「もっと露出を増やそう」「あなたの特技や特性をもっとアピールしよう」「もっとわかりやすく」などなど、手を替え品を替え、あれこれ教えてくれた。
先輩方のその気持ち、痛いくらいに今ならよくわかる。みんなとっても親身で、とても親切だったんだな。それなのに、それなのに、それなのに。いっしょうけんめいに何をいってもわたしが反応薄くて、他人事みたいにぼーっとしていて、やる気なさそーで、みなさん内心きっと呆れていただろうな。と、今になって心から懺悔したい。ばかばかばかばか。たまきばかばかばかばか。(ばたり)妄想勇者はやっぱり爆死。しぬる。
だからいまいろんな人たちが「プロになりたい」「ソロ活したい!」と言いつつ、そのままフリーズして動けない気持ちもわかる。黙って座ってるだけでお客さん来てほしい。祈る。祈ってるんだ。念はとおる。願いは叶う。そう信じてる気持ちもわかるんだ。わかるんだよ。でもダメなんだ。それだけではダメなんだよおおお。
みんなが本当によくしてくれたのに、結局のところ、開業したてて駆け出しのわたしは自分からなにもしなかった。わたしがたまたま生き残れたのは、たまたま運がよかったから。あんなに「命令されたくない」と嫌で嫌でたまらなかった元・職場が大繁盛していて、自分ではなにもしなくても、そこからの流入や紹介が大量にあったから。
結局のところ、命令されずに自由にひとりでしょんぼりとできることなんてタカがしれていた。ダサい。クソダサい。自分なにもかもダメダメだ。記憶の中の妄想勇者はやっぱり爆死。最低だ。しぬる。(以下無限ループ)
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さて。こういう人だったんですよ。わたしは。朝っぱらから申し訳ないです。いちおう日曜朝の記事なので、だいぶセーブしてお上品にしようと努力はしてみたのですが、ダメだった。無駄な抵抗ですね。そして、実際はもっともっとどうしようもなく酷くって、いまだっていつでも元通りに戻ろうと思えば戻れる、元・妄想勇者はわたしです。
いまは「ババアになっても一生ひとりで大丈夫な技術」にはまだまだほどとおいけど、それでもまぁまぁいい線いってるんじゃないでしょうか。25年前の目標に沿って、そのまんま生きています。
といったあれこれを、冷静に振り返って総括して、笑いのネタに使えるようになったのは、36歳で大運が変わる前後から、貪るようにひたすら占いを勉強しまくったからでした。掘っても掘っても尽きない心の黒歴史の地層に身悶えしながらですけどね。
なんなんでしょうね。とりあえず「人智を超えたなにかがあるとして」「運気と環境に負けた過去を糧に」「あしたがある〜♪」と開き直って、変えられない過去よりも、これからの未来に意識を向けるようになりました。
その頃から、自然に「ブログを見ました」とおっしゃるお客様がたくさん訪ねて来てくれるようになりました。不思議ですね。お客様のアンテナは本当にすごい。
占いの勉強をゴリゴリしつつも「占いは趣味だから。占い師には絶対ならない!」と頑なに決めてたので、勉強期間は結構長かったです。プロ化するときの話はどこかに書いたような。忘れた。
ということで、天海玉紀を名乗り始めてから、おかげさまで十周年を迎えることができました。こうやって細々とでも続けていられるのは、ひとえにみなさまからのオーダーがあるからこそです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
また、占いのお店・ウラナイトナカイという奇跡のような場に出会い、ウラナイ8のメンバーのような楽しく頼もしい仲間に恵まれなかったら、とてもここまで続けることはできませんでした。みなさまに心より感謝です。
きょうは11時からライブ配信予定です。アーカイブも残しますので、ぜひご覧くださいませ。
ウラナイ8 デイリーメッセージは、毎朝7時更新。みてね♪
ハッピーサンデー♪ Matewa