ライターとして占い原稿を書き始めた頃は、西洋占星術がメインでした。若い女性向けの雑誌だと東洋より西洋が好まれるからです。占い専門誌ではない限り、太陽星座の12パターンなので、基本的な知識だけで何とかなったのです。

当時読み込んでいたのがジャン・カレルズの『占星術大全』。

「みずがめ座の時代の太陽十二宮」という章を何度も読み返しました。特に自分の星座。

「典型的な人馬宮人は、楽天的で親切で、気前がよく、自由を愛し、多芸多才で、頼りがいがある。ふつうより頭がよく、判断力にすぐれ、人生を楽しみたがる」という書き出しから気分がよくなります。そうか、私って自分が思っているよりすごいんだ!

自由と旅と放浪を愛し、実際に旅ができないと、心で旅をする。つまり、新しい問題を研究したり、言語を学んだりして、仕事か遊びどちらかのために、外国や外国人の情報に触れ続ける。

私が「こう生きたい」と願う姿そのもの。こんなふうに、読んだ人の気分が上がるような原稿を私も書くんだと誓いました。そうやって仕事を続け旅の資金も貯め、理想の生き方を実現しています。

ほめ言葉はさらに続きます。

冒険心があり、若い頃や中年期によく曲がり角や峠の向こうを見渡して、行く手に何があるのかを確かめたがる。また多くの点で反対宮の双子宮に似ていて、いっぺんにいくつもの計画や興味をこなすことができる。知識欲も旺盛で、飽くことを知らず、早いうちから知識をためこみはじめる。ただ集中力を欠くきらいがあり、勉強や趣味の方面でもすぐ興味を失い、熱が醒めるといい加減に放り出してしまう。

最後の文章は悪口のようですが、射手座にとってはほめ言葉です。そして、ダメ押しのように「十二宮のなかで、一、二を争う幸運な好ましい宮だ。まず敵はつくらない。自分自身はべつとして!」と続きます。そう、しょっちゅう自分自身から逃げるためにアルコールに溺れています。

 

占い原稿では残りの11星座も「こう書けば喜んでもらえるだろう」と狙って書いたのですが、うまくいったかどうかはわかりません。射手座へのほめ言葉は、ほかの星座の人にとっては全然ほめていないかも。

次の山羊座は「頭脳明晰で、クールで計算高い。きっぱりとして、志が高く、強い規範感覚を持ち、仕事にたけ、職業上の利益・地位・名声を得ることに力を費やす」とか「艱難辛苦を味わおうと、逆風が吹こうと、それに耐えられるだけの性格の強さがある」とあります。あまり楽しくなさそうですが、山羊座成分が強い人ならほめられてうれしいと感じるのかも。かく言う私も太陽は射手座ですが、金星、木星、土星は山羊座なので締切を落としたことは一度もなく、職業上の利益にはこだわってきました。

 

東洋占術でも、十干や九星それぞれの美点を強調して原稿を書いてきました。短所を改めることも大切ですが、長所を伸ばしたほうが楽しいし、開運効果は高いのです。

すべてに完璧な人はいません。占いのロジックを総動員して自分を肯定し、人に対しては「あなたはこんなにすばらしい人」と持ち上げてみてはどうでしょうか。人をほめることで自分も気分が上がります。そして、バレンタインデーのチョコレートより「あなたのこういうところが好き」という具体的なメッセージが喜ばれることだってあるはずです。

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