易の64卦を覚えるのはなかなか大変。学び始めた頃は、上卦が天の8卦から始めて、沢・火・雷・風・水・山・地それぞれ8卦ずつ順番に覚えていったものです。

卦には順番があり、父親を示す乾為天(けんいてん)に始まり、母親の坤為地(こんいち)、出産の困難の水雷屯(すいらいちゅん)、生まれた子供の教育は山水蒙(さんすいもう)と、ストーリー仕立てになっています。

乾為天と坤為地、水雷屯と山水蒙など、64卦が32のペアを作ります。それぞれ初爻から上爻までの陰陽が反転した形になっており、この組み合わせが運気の流れのパターンを示しています。

たとえば、すべてが通じる地天泰(ちてんたい)のペアは、すべてが塞がる天地否(てんちひ)。「もうこれで安心だ、すべてOK」と慢心した瞬間から崩れ始めているのです。

少年と少女が恋に落ちたら初恋の卦、沢山咸(たくざんかん)。時がたてば二人はおじさんとおばさんになり雷風恒(らいふうこう)に。沢山咸は初恋の味のカルピスで、雷風恒はお茶漬けの味です。

私が肝に銘じているペアは、山沢損(さんたくそん)と風雷益(ふうらいえき)です。損が先に来ているのがポイント。

ネット証券で株式取引していて頻繁にチェックするのは損益の明細です。安値で買って高値で売れば利益が出ますが、そのタイミングを見極めるのは至難の業。トータルで見て損益がプラスになっていれば満足すべきでしょう。

初心者の頃は購入した株が値下がりするたびに動揺していました。買った株がすべて上がるなんて、経験豊かな敏腕ディーラーでも不可能なことなのに。それでも株をやめなかったのは、いくら待っても日本の低金利政策が終わらなかったから。日頃利用している食品や日用品、外食、宿泊などで株主優待が充実している銘柄を中心に買い進めた結果が今につながっています。

最初にすべてがうまくいって簡単に儲けていたら、損が出た時点で定期預金に戻したかもしれません。まず損をしたからこそ腹をくくり、その後の益につながりました。

もちろんこれから暴落する可能性もあり、益がいつまでも続くわけではありませんが、暴落した時こそ買い増しのチャンス。損益は循環すると達観し、今後の相場も乗り切っていけるといいのですが。

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