易の読み会でよく占ってもらうのが旅の成り行き。ライター業がリタイア状態に移行するとともに、なるべく自宅を離れる多拠点生活を目指しているので、占ってもらうお題に困りません。

しかし、旅を占うのは楽しいのですが、どうも深みに欠けます。そこで思いついたのが、その土地と自分の相性を占ってみること。先日は沖縄と私の相性について易を立ててみたところ、水風井の上爻が出ました。

水風井は爻が上にいくほど水が澄んでいきます。初爻や二爻の泥水は、沖縄が歩んだ悲惨な歴史。そこを踏まえつつも沖縄の独自な文化を探求するといいのかも。沖縄では井戸を聖なるスポットとして祀っています。清らかな水が湧き出て誰にでも開かれている井戸。沖縄のスピリチュアルな側面を探求し、自分の言葉で発信していきたいものです。

 

ユングは易経を英語圏の読者に紹介するにあたって、易を一個の人格をもったものとして占いました。

出た卦は火風鼎(かふうてい)。鼎は三本足の鍋で、代々受け継がれる家宝。相続や継承の象徴であるとともに固い食材を煮込んで柔らかくするという意味もあります。

古代から伝わってきた易はまさに中国の宝です。中国語だけでは理解できる人は限られます。英語に訳されることによって、易のすぐれた性質が世界の人々に認められるようになるとユングは解釈しています。

 

杏子さんの易の読み会では、占うお題がなくて困ることもありますが、こうした占的の立て方を取り入れると無限に出てくるのではないでしょうか。

2年ほど前にスポーツクラブでヒップホップのクラスが始まりました。自由に踊っていいズンバは高齢者も多いのですが、ヒップホップはステップの型が決まっていて、部分ごとに練習しながら何週間かかけて一曲をマスターしていくスタイルです。若者のイメージが強いヒップホップを踊るのに躊躇して、易を立てたら雷地豫が出ました。

雷が地上で響き渡る象。雷は音であり、中国古代の王はこの卦にのっとって音楽を創造しました。 雷地豫豫は、楽しませるという意味です。ヒップホップはアメリカのストリートギャング文化の中で生まれ、銃や暴力の代わりにダンスやラップで競うことから始まりました。そのうち音楽とダンス、言葉が一体となって楽しめるエンターテインメントとして世界に広がりました。まさに雷地豫。下の八卦は地(坤)で老婆ですから、高齢になっても続けられそうです。

ヒップホップは雷地豫だと思うとレッスンに出る勇気が出て、今では楽しく踊っています。好きなアイドル、再読を重ねる本、何回も観たい映画などを人格に見立てて「私にとって○○はどういう存在なのか」と易を立ててみると新たな発見があるはずです。

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