1月4日の大発会(だいはっかい)で証券取引所の年始営業が始まりました。元日の能登半島地震、翌日のJAL機炎上があったので、鐘を打つ儀式は自粛。今年は新型NISAも始まるし、応援の意味で日本株を買ってみました。政府が税金を払わなくていいという大盤振る舞いをしてくれるのですから、アメリカ株一辺倒では申し訳ないと思ったので。

昔は「株をやっている」なんて大っぴらには言えませんでした。ギャンブルのようなものと思っている人が多いし、額に汗して働いて報酬を得るのがまっとうな生き方です。時代は変わり、政府が株式投資の後押しをしてくれるようになったとは。高齢者が増えすぎて国で面倒を見きれないから、自己責任で投資して老後に備えよということでしょうか。そして、証券会社に口座を開くにはマイナンバーカードの情報を送らなくてはいけませんから、政府に資産が把握され、収入がなくても医療や介護の自己負担を迫られるのでしょう。

しかし、株式投資には向き不向きがあります。

まず、お金が減るのが耐えられないという人。夜も眠れなくなるでしょうから、利率は低くても元本保証の金融商品にしておいたほうが無難です。

そして「あの時、ああしていれば」と過去を振り返ってくよくよする人。87歳の現役デイトレーダー、藤本茂氏は「投資を続ける1つの秘訣」としてこう語っています。

取引が終わった直後には、その取引がよかったのか悪かったのかを反省する必要がありますが、それさえ終わればもう記憶に留めておく必要はありません。

「どれだけ儲かったか」覚えているような人は、「どれだけ損したか」にも執着してしまうものです。すぎ去ったことに思いを馳せても、ほとんどの場合、いいことはないですよね。

投資を続けていくためには、成功・失敗にかかわらず、あまり過去にこだわらないこともことも重要な秘訣なのです。

利益を確定するため、あるいは損切りした株が値を上げることはよくあります。それでも「売らず持ち続けていれば」などと考えてはいけません。そのため、手放した株のその後の価格は見ないようにしています。どれだけ悔やんでも過去は変えられないのですから。

新型NISAで新たに投資を始める人も多いでしょうが、市場の動向をチェックする以上にメンタルを平静に保つことも心がけてください。そして「新型NISAをきっかけに株を始めてよかった」あるいは「政府に踊らされて株なんかに手を出すんじゃなかった」となるか、誰も予測はできません。市場アナリストと占い師は似たようなものです。エキスパートと称する人の予言を盲目的に信じるのではなく、最後は自分で決めてください。そのほうが結果を受け入れやすくなり、市場に長くとどまれるでしょう。

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