庚子年 乙酉月
2020年9月07日 白露 13:08
2020年9月22日 秋分 23:30

9月7日、二十四節気の白露(はくろ)です。

白露 (はくろ) 太陽視黄経 165度
大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。
「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」暦便覧

2020年9月7日
「庚子」年+「乙酉」月、節入りのお知らせです。

◯乙庚
◯酉子

巨大台風の襲来に、まだまだ続く酷暑の日々、ちっとも「秋」の雰囲気がありませんが、着実に日は短くなり、セミの声よりも虫の声のほうが大きくなってきた東京です。

「乙酉」は、秋の花であり、盆栽の花です。切り花や生け花のように、草花が美しく剪定されて飾られているような図です。(座下の金性に剋される乙木)

人当たりよく、自らはやせ我慢してでも、自らをスマートにカッコ良く保とうとする美意識があります。穏やかで平和な環境でこそその美しさは映えるので、あまり変化の多い激しい環境には似合いません。

周りのために献身的に動く人ですが、あまりにも自らを捧げ過ぎないように、周りからきちんと大切にされるような立場に身を置くことが大切です。

9月22日 秋分 (しゅうぶん) 太陽視黄経 180度
暑さ寒さも彼岸まで。しだいに夜が長くなり、秋が深まっていきます。
「陰陽の中分なれば也」暦便覧

2020年「乙酉」月の概況

◯乙庚
◯酉子

庚と乙は、大きな鎌で草を刈るように、大きくて強い庚と小さくてしなやかな乙とのコンビです。お互いに強く惹き合うとされる特殊な組み合わせのひとつでもあります。今月はこの不思議な化学変化が起こって、「金の気がとても強くなるよ!」という解釈が可能です。(干合という組み合わせです。干合の読み方や解釈はとにかく魑魅魍魎!諸説たくさんありますよ)

酉月は金の性質なので、この9月はますます金の要素が強まります。金気の性質は、とにかく「白黒はっきり」させたがりますし「さっさときっぱりはっきりすっきりしたい」です。物事の展開はスピードアップするでしょうし、不正や筋の通らないことは嫌がられます。できるだけ明快なコミュニケーションを心がけたいところです。

即断即決の正義感の強さは良い方向に発揮できればいいですが、なにもかもを「正しい/間違い」と切り分けることは不可能です。早い展開についていけない弱者や、まだ芽の出ていない可能性を切り捨てたり、すぐに答えの出ない微妙な問題を無視して捨ててしまわないように気をつける必要があるでしょう。まだ誰もみたことのない貴重な宝のタネは、混沌の中から生じるからです。

今月は少しブラック風味でお届けします。

甲の日生まれさん
長い目で見て「降参したふり」「相手に花を持たせる」作戦も有効です。

乙の日生まれさん
敵も作る覚悟で、思い切って強気で勝負に出るなら今がチャンスです。

丙の日生まれさん
細かい用事が増えて自分の時間はなさそう。いっそ恩を売りましょう。

丁の日生まれさん
待っていてもダメ。たまには自分からアクション、セールスして下さい。

戊の日生まれさん
お財布の紐はしっかり閉めて。気前よく使うと歯止めが効かなくなります。

己の日生まれさん
冷たいものの飲み過ぎ、食べ過ぎ注意。お腹を冷やさないようにご注意を。

庚の日生まれさん
ライバル出現の兆しが。正面衝突は避けて、笑顔の頭脳戦でスマートに。

辛の日生まれさん
みざるいわざるきかざる。焦って突撃せずに、今はじっと爪を研ぐとき。

壬の日生まれさん
思わぬ援助がありそう。自由にしたいならいまは充電と準備がオススメ。

癸の日生まれさん
出し惜しみするとお宝が錆びてしまいます。ブラッシュアップがだいじ。

2021年に向けての覚書

2020年は、後世からみても歴史の大きな転換点のひとつとして記録されることでしょう。世界中がいっぺんに災厄に巻き込まれているこの状態は、まだまだ収まる気配もなく、これまでの歴史で繰り返されてきた局地的な戦闘としての戦争より、もっと広範で緩慢で長く続く一種の戦争状態であるようにも思えます。

8月17日に内閣府が公表したGDP(実質国内総生産)は前期比7.8%減、年率換算では27.8%減と戦後最悪の下落で、100年に一度の危機と言われたリーマンショック後の17.8%減を大きく上回ったと報道されました。

9月1日には厚生労働省が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇・雇い止めになった人が、8月31日現在で見込みも含めて5万326人に上ったと発表され、同日に総務省が発表した労働力調査では、7月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント上昇の2・9%で、2カ月ぶりに悪化とのことでした。

インバウンド需要の激減、生活様式の大幅な変容に直撃された繁華街の飲食店、デパート、観光関連の業種、エンターテイメントなどの影響は深刻ですし、中小企業でも今後この状況を長く持ち堪えられられない会社も少なくないでしょう。社会の変化は、大きな出来事から少し遅れて現れます。
参考:国内統計 完全失業率

株価は上がっていると言われても、それは現実を反映したものではなく数字のマジックになっているのではないでしょうか。このあとどうなるか、ここから秋〜年末までに大きな動きがあるのではないか、注意深く観察していく必要があるでしょう。

毎年恒例で、みずまち先生と「西洋占星術と東洋占術で20◯◯年を占う」講座を続けてきました。2020年予想をするときには「オリンピックという華やかなイベントの年に、なんだか "庚子" という地味な干支は似合わないな」と思っていましたが、まさかこんなことになるとは。そして、そのシリーズの中では以前から「2021年は不況だろう」という話が出ていました。しかしまさか2020年がここまでとは想像も及ばず「オリンピックが終わったら景気が悪くなるってことなんだろうな」と思っていました。

2021年には、西洋占星術なら土星と天王星のスクエアが水瓶と牡牛で何度も形成されます。今年すでに(3月末ー7月頭)に形成された組みあわせですが、来年には本格的に取り組まされるであろうテーマで、個人と集団との権利が相反し、どちらかを優先すればどちらかが蔑ろにされかねないような状況が想定されます。例えばすでに目の前に差し迫った問題として現れた「個人の移動や行動の自由と、感染症予防を優先する公益とのバランス」はまさにその一例でしょう。超富裕層とそれ以外の大多数との格差から生じる各種の問題もより先鋭化していくことが予想されます。

また、2021年の年干支は「辛丑」で暗くて寒い地面に包まれて輝く宝玉のイメージです。夜明け前がいちばん暗くて寒く感じられるように、厳寒期のムードが漂います。どうやっても「必ず春は来るから!」と言いながら「ゆっくり時間をかけて。辛抱。鍛錬。じっと時を待つ」という読みになります。そしてあまり積極的に言及したくないポイントではありますが、「辛」の鋭さや厳しさは、2011年の東日本大震災の年に体験していて、その記憶はまだそんなに古くなっていないはずなのです。

今年の春先には、得体の知れない恐怖や不安が世界を覆っていたんでした。社会が停止し、未知のウイルスに怯えたあのショックはすでに和らいだのでしょうか。真夏にみんながマスクして外を歩いているのはじゅうぶんに異常事態だとおもいますが、すでにもうわれわれはこの異常事態に慣れて、麻痺しているだけなのかもしれません。科学的データから「この状態はあと2年は続く。元に戻るには4年くらいかかるだろう」といった予想が各所で出されています。4年か。長いですね。必ず終わるとわかっていても、その渦中にいると年単位の時間はやはり長い。

確かに暦や星をみても「2年から4年、そうだね…」と、その展望にわたしも同意します。だからといって、失意の中でただぼんやりしているわけにもいかないでしょう。厳しい環境の中でこそ育つ植物やチャンスがあるように、わたしたちも変化・進化していければとおもいます。

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