命卜相(めいぼくそう)の3つができてこそ占い師と言われますが、『周易裏街道』の仁田丸久氏は、四柱推命や九星気学などの命術に見切りをつけて、生まれた曜日で占うという話を先週紹介しました。

いささか乱暴なようですが、共感する部分もあります。四柱推命だけで開運するかというと疑問に思うから。流派によって吉凶の取り方が違うし、十干十二支の化学変化によって吉凶が反転。理論としてはおもしろいけれど、実用的ではないと思うようになりました。そして、生き方の可能性は命式の中にあるけれど、不発弾のようなもので、すべてが現実化するわけではありません。

ウラナイ8ブッククラブでも紹介した『食べて、祈って、恋をして』に登場するバリ島の手相観クトゥに至っては、自分が生まれた年さえ不明です。作者のエリザベスはクトゥの年齢を類推しようとするのですが、65歳から105歳のあいだのどれかとしかわかりませんでした。そして、クトゥは気分次第で自分の年を変えるのです。疲れていたら85歳、晴れやかな気分なら60歳。実年齢ではなく、何歳だと感じられるかで年齢を決めるのが痛快です。

そして、誕生日を知らないのに、生まれた曜日は「木曜日」とはっきり答えるのです。バリ島では、どの年に生まれたかよりも何曜日に生まれたかが重要です。

木曜日に生まれた子は破壊の神シヴァに守られ、トラとライオンの精霊に導かれて育つ。いつも最初に口火を切り、人の話に割り込む。いささか押しが強く、美男美女が多いが、きちんとした偏りのない性格で、記憶力がよく、人助けが好き。

できることなら私も木曜日に生まれたかった。そして、星の巡りが悪いのは私が生まれた土曜日。

クトゥのもとに、4歳ぐらいの息子が連れてこられました。癇癪持ちでいうことを聞かず、悪さをするし周りのことに不注意なので、家族は面倒を見るのに疲れてしまったとのこと。

その子が悪い星の巡りの土曜日に生まれたと説明するクトゥ。カラスやフクロウ、操り人形など邪悪な精霊に憑かれやすい体質。悪いことばかりではなく、虹と蝶の精霊もついており、神への供物を続ければもう一度調和を取り戻せると両親に説明します。

クトゥは手相観である前にメディスン・マン。バリ人の通過儀礼を執り行い、心身の調和をもたらします。

命式やホロスコープを使って一生に起こる出来事をぴたりと読み解く占い師も求められますが、解説よりも対処法を授けるヒーラーのほうが相談者の役に立つのでは。恋愛運や金運が下降するのが運命なら、どうやってダメージを最小限にするかの知恵が求められます。占術理論を追求するよりも、自らが実践している開運術が問われるのですから、明らかに不幸そうな占い師には相談しないほうがいいと思います。

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