出版業の先行きは先細りなので、専門分野を持とうと考えて占いの学校に行くことにしました。40代半ばのことです。世間的には遅いスタートですが、東洋占術は年齢が高いほうが説得力が増すし、女性誌の読者層が高齢化していので、順調に仕事を続けることができました。

四柱推命、周易、断易、九星気学、風水と東洋占術を一通り学びました。ロジックがわかれば、あとは応用力。東洋占術界の大物から原稿を任されるようになり、忙しい日々が続きました。

学生時代より熱心にノートを取り復習にも打ち込んだのですが、占い学校で学んだことで最も役立ったのは「金運の器」です。

東洋占術は開運を重視しますが、無尽蔵に運が上がるわけではありません。占いのロジックに従って練習のために競馬や株式相場でかなりの勝率があったとしても、実際にお金を賭けたらぜんぜん儲からないのは、金運の器が小さいから。占術理論に精通していてもお金持ちになれない占い師がいるのはこのためです。

現世の欲が強い私はこの話に大いに感じ入りました。占いを学ぶ以上の熱意で、金運の器を大きくする方法を探求することにしました。

その一つが、「財は貯め込むより流通させるほうが大きくなる」。貯蓄ではなく投資。これぞと思って惚れ込んだ企業の株を買う。自分のお金が社会を巡っていると考えれば株が下がってもそんなに気にせずに済みました。

そのうち、日本国内だけの投資に飽き足らず、ニューヨーク市場に打って出ることに。欲もあるのですが、主義主張の違いを超えて、通貨の壁を越えてお金を流通させることで風通しのいい世界になるのではという期待がありました。リタイア後は世界を転々と旅したいという夢があったので、日本円だけの投資はつまらないと思っていたし。

たまたまタイミングがよくて、運用の上手下手以前に円安ドル高によって資産が膨らみました。この利益が享受できるのも、あちこちを旅して金運の器を大きくしてきたからこそ。リタイア後、「お金がないから行きたい場所に行けない」という事態を避けるために投資を続けてきた結果を享受しています。ただし、スタイルは貧乏旅行。アウトドアのユニクロと呼ばれるモンベルの登山服でエコノミークラスに乗り、公共交通機関と徒歩で移動。体重を増やしたくないので、豪華な食事とは無縁の旅を続けています。数千万円をかけて豪華客船で世界一周という旅をするには私の金運の器は小さすぎます。

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