コロンビアが危険だというイメージを抱いたのは、現地の日本人ガイドさんから聞いた怖ろしい話だけではなくガルシア=マルケスのノンフィクション『誘拐の知らせ』を読んだからです。
https://bob0524.hatenablog.com/entry/2025/08/04/211408
おびただしい数の誘拐が起こり、無事に解放された人質もいれば、命を落とした人質もいます。
女性ジャーナリストのディアナ・トゥルバイは救出作戦で受けた傷が致命傷となり亡くなりました。テレビのニュース番組のプロデューサー兼雑誌編集長で、かつての大統領の愛娘。日本でも政治家の子息がテレビ局や新聞社、広告代理店に入社することが多いのですが、コロンビアでも似たような構図なのでしょう。
ディアナは父親ゆずりのリーダーの資質を持っていたのでコロンビアのマスコミ業界でたちまち頭角を現します。単なる良家のお嬢様ではなく、自分も国のために働くと考えて育ちました。
生まれたのは1950年3月8日。「情け容赦のない魚座の星のもと、父親がすでに大統領の座へと着実に向かっているところだった」とガルシア=マルケスは書いています。彼自身も魚座の生まれで、魚座に強い思い入れがあるようです。
監禁生活でディアナは日記をつけることにしました。
自分の幽閉生活を人に伝えるためというより、自分の精神状態を記録し、監禁生活の小さなできごとに対する感想から政治的な分析、人間に対する考察まで。そして、祈りの言葉。
最初のうちは隠れて深夜に書いていましたが、監視役たちは自分たちが眠っている間、彼女が静かに没頭していられるようにと必要なだけ紙と鉛筆を提供します。交渉の道具なのですから、人質が心身に異常をきたしたら元も子もないからです。麻薬密輸組織の計算は非情で、人質に価値がなくれば口封じのために殺したりもします。
ディアナはカトリック教徒ですが、監禁が長引くにつれて信仰は強くなり、自分の命だけでなく自分と関係のあるすべてのことを祈るようになります。最後には誘拐を仕掛けた麻薬密輸組織のトップであるパブロ・エスコバルのことまで神と聖母に祈りました。「もしかすると、彼こそあなたの助けを必要にしているのかもしれない」と。
不幸にして命を落としてしまったディアナですが、監禁生活の心の支えになったのは、書くこと。一方、ガルシア=マルケスの自伝のタイトルは『生きて語り伝える』。何を記憶し、どのように語ることこそが人生だと彼は考えました。実際に起こったことをどのように解釈するかが占いですから、言語化は必須です。
ウラナイ8ではデイリーメッセージとして7人の占い師が曜日ごとに何かしら書いているし、占い新大陸でも毎日の更新が続いています。ネットの世界では書くことは時代遅れで、映える写真やショート動画が主流になっていますが、占いは語られるもの。ウラナイ8と占い新大陸が綴る言葉を読むことで毎日を生きていると実感しています。
















