師走の声を聞くと、古文の授業で習った井原西鶴の「世間胸算用」を思い出します。

江戸時代はその都度払いではなく、ツケ払いが一般的。大晦日はその年のツケを清算する日。お金の算段が付かない人はどうやって年を越そうか苦しい思いをしたことでしょう。

現代社会では、金融機関からの借入金が払えなければ会社は倒産し個人は自己破産となります。一方、厄介なのが個人間のお金の貸し借り。友人や知人から「お金を貸してほしい」と頼まれたら、断るのも冷たいようだし、かといって安易に貸すとトラブルに巻き込まれる可能性が高いでしょう。

ちゃんとした人なら利息を付けて返してくれるかもしれませんが、そもそもちゃんとした人は万一の場合に備えて貯金があり、友人に借金をお願いしたりしません。お金を借りて一時的に楽になっても、返す目途がたたず、お金を貸してくれた人に新たな借金を頼むということも。もっと悪い場合は、お金を貸してくれた人を「返金を催促された」「こんな少額しか貸してくれなかった」など逆恨みするようになるのです。

 

昔、羽振りがよかった広告プランナーが経営に行き詰まり、金策に駆け回っていると聞いたことがあります。資金繰りに困り、一度仕事を請け負ったことのあるオーナー企業のトップに借金を頼みに行きました。するとトップは「このお金をあげるから、今後一切、連絡しないでほしい」とまとまった金額を渡したそうです。

借金を頼むような運の悪い人にはお金を渡してさっさと縁を切るほうが得策だというのが、富裕層の思考パターンなのでしょう。

幸いにして借金を頼まれたことはありませんが、これからそういう目に遭ったらこのやり方を真似することにします。手切れ金だと思って渡せる金額を上限にして贈呈。冷たい人間と思われても、下手に貸してしまって運の悪い人間とずるずるつながってしまうのは絶対に避けたいのです。

 

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