2月26日、ウラナイ8号室で占い三昧の一日。
今書いている易の本の編集担当者の方々が来てくださり、リアル易の読み会を見てもらうことができました。
易の本の打診があったのは昨年初め。版元の担当編集者さんの産休・育休が挟まり、ずいぶん長いスパンでの進行に。週刊誌・月刊誌の原稿をメインで書いてきた私にとっては、慣れないスタイルですし、東洋占術の王道である易の本となると肩に力が入りまくって原稿は遅々として進まない日々が続きました。それでも構成が決まりレイアウトができあがって文字数が出て、とにかく書き進めています。
日曜日の第一部、易の読み会が終わって、第二部はカードの読み会。こんなときに頼りになるのがタローマンかるた。
1枚目は原稿がはかどるメッセージ、2枚目は乗り越えるべきハードル、3枚目は易の本を書いた結果として引いてみました。
1枚目「せいぎの みかたと だれがきめた?」
立派な本を書かなくてはいけないという固定観念をまず捨てなくてはなりません。
「易の 権威と だれがきめた?」
易経は古典ですが、絶対的なバイブルではありません。本田済『易学』(講談社学術文庫)には、卦辞と爻辞は一気にできたものではなく、暗誦で伝えられた断片の寄せ集めだとあります。単に丸暗記して伝えるだけなら、単なるおみくじでしかありません。占的に合わせて連想力と応用力をフル稼働して易神からのメッセージを読み解くためには、権威とか伝統をいったん脇に置く必要もあります。編集サイドからの要望は「令和の易と呼べるような新しいスタイルで」「翡翠輝子のブログで書いているようなものを」。ありきたりで堅苦しい易の本は求められていないのです。
2枚目「なんだ これは? みんな おどろく」
みんなが驚く令和の易、西洋かぶれの易。これまで出版されているような易の本なら、私が書く意味がありません。
3枚目「よじげん ほんやくマシーンの 出番ね」
中国、日本、ヨーロッパ、アメリカ。目指すは国境を越えた易。校了は7月で秋に出版される予定ですが、仕事が終わればスペイン巡礼に出かけます。
スペイン巡礼の体験記を読むと、タロットやオラクルカードを持ち歩いてたまたま出会った巡礼者にメッセージを伝える話がよく出てきますが、私は易(I-Ching)でやってみたい。筮竹ではなく、ユーロのコインの裏表で陰陽を出して卦を立ててみる。世界各地から集まった巡礼者にどんな卦と爻が出て、それぞれの人生とどう重なるのかを知りたい。この本を書いた経験をスペインの巡礼路で活かしてみたいのです。
カトリック教徒でもなく、車も鉄道もある現代に800キロを徒歩で行くというのが、まさにタローマン。足が痛くなったら、居心地のいい村に居座ってバルの常連となろう。目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラにあえて到達しないのも、何度も挑戦できて楽しそう。とんでもなくでたらめな巡礼の道にしてみます。