ベストセラー作家の原田ひ香の小説は、お金にまつわる話にも説得力があるのでよく読みます。
たとえば、「お金で買えないものはたくさんあるけれど、ある程度の自由なら、お金で買える」という『東京ロンダリング』に登場する働き者の大家さん。
『図書館のお夜食』では、莫大な財産を手に入れ、東京郊外に小さな私営図書館を作った人が登場します。
図書館に置いてあるのは亡くなった作家の蔵書。作家が亡くなった後に寄付してもらい、整理して展示します。貸出はせず、閲覧のみ。開館するのは夜7時から夜中の12時までという個性的な図書館です。
入館料は1000円。月間パスポートは1万円、年間パスポートは5万円。
私財を投じて運営しているので無料でもかまわないのだけど、無料で誰でも入れるようにしたら万引きや窃盗が横行。わけのわからない人が来て「読みたい本が一冊もない」と難癖をつけることも。入館料は変な人を追っ払うために設定したのです。
キャンプやバーベキューの施設も、無料だと騒音やゴミの放置など荒れてしまいがち。入場料を設定すると迷惑行為が減るそうです。不要品を近所の人とやりとりできるジモティーというサイトでも、無料で出すと変な人とつながってしまうので、安くてもいいので値段を付けたほうがいいと言われています。
占いの学校に通っていたころ「まだプロじゃなくて勉強中だから無料で占ってしまいがちだけど、絶対にやめるべきだ」と教わりました。少額あるいはカフェのお茶代でもいいから、対価をもらわないと占いとして成立しないし、無料で始めて途中から鑑定料を設定すると逆恨みされるなど、変な縁ができてしまうから。
そして、占い師と客という線引きをするためにもお金のやりとりは必須です。「悩みを相談するのにお金を取るのか」と憤慨する人もいますが、お金を取るからこそ、友達でも家族でもない人の悩みを聞いてあげられるのです。
東洋占術では、一般の人が知り得ない天の秘密を漏洩するのが占いだと考えます。「天の目を盗んでこっそり伝えるのだから、対価を支払わないと祟りがある」というのも、説得力があるのでは。
優良顧客を得るためにも、価格設定は大切です。玉紀さんが何度も触れていますが、イベントの1000円程度の鑑定料で大盤振る舞いをするのも禁物。料金に見合った適正な鑑定を心がけたいものです。
















