現在の住まいであるマンションは、21年前に新築で購入しました。35年ローンを組んで無事に返していけるだろうかと不安になったものです。

占いに出会ったことで金運が上がり、ローンを完済できました。

夫が高層階を好んだので11階を選びました。お隣さんは角部屋でうちより数百万円高価だったのを覚えています。

お隣の奥様は私より10歳ほど年上で、引っ越しの挨拶でお会いした時から同類の匂いを嗅ぎ取りました。うちと同じく夫婦二人暮らしで子供はいません。一家の稼ぎ手は夫ではなく妻。そして夫は日本人男性にはめずらしく、妻が自分より稼いでも機嫌よく生きるタイプ。

付かず離れずの近所付き合いだったのですが、21年目にして初めて4人で飲み会を開くことに。せっかく隣同士なのだし、ぜひにと勧められてお隣にお邪魔しました。

お酒はうちが持参し、食事は先方が用意。うかがってみると、完璧に整えられた食卓が。お隣の奥様は家政婦さんやデリバリーなど、家事をすべて外注しているのです。自分ではコンロの火をつけることもめったにないそうです。

お隣の奥様は言わば私の上位互換。公認会計士にしてMBAホルダー。自費留学でアメリカに渡ったとのこと。道理で、うちに滞在したカウチサーファーや外国人留学生と流暢な英語でやりとりしていました。

宅を卜(ぼく)さず、隣を卜す。

湯島聖堂で習った晏子春秋(あんししゅんじゅう)の一節です。

中国春秋時代の名首相、晏嬰(あんえい)は王に寵愛されます。質素な家に暮らしていたので、晏嬰が出張中に隣近所の住民を立ち退かせ、豪華な屋敷を建ててあげました。
帰国した晏嬰は、喜ぶどころか、せっかくの屋敷を取り壊し、住民も呼び戻します。

王に対して、晏嬰が説明したのが上の言葉。卜(ぼく)とは占いを指し、晏嬰は、自分の住宅の吉凶を家相や方位ではなく、どんな人が隣近所に住んでいるかで占ったのです。これまでうまくいったのは隣人のおかげなのだから、王が彼らを立ち退かせたのは大迷惑で、ただちに呼び戻したのです。

お隣の奥さんは私の上位互換だし、二階下には末期がんから生還し日本ホリスティック医学協会の常任理事であり、フィンドホーン財団のフェローという人の事務所があります。以前、アラン・コーエンの語りおろし本を書いた時、アランが「日本で最もビューティフルな人」と表現しました。彼は私の二階下にいますと言いながら、この住まいはなんて運がいいのだろうとうれしくなりました。

東洋占術で見ると不動産運に恵まれていないので、不動産投資には手を出しませんし、自宅の売買でも一度失敗しています。なんとかつかんだ今の住まいの幸運、大事にしたいものです。そして、いくら家相や風水で家を買っても、隣近所との関係が悪ければすべて台無しになるでしょう。

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